西武CS完全消滅 歴史的低迷の背景にある「繰り返されるFA流出」「戦略なき早期見切り」
西武は30日の日本ハム戦(ベルーナドーム)に2-5と敗れ、今季117試合目にしてCS進出の可能性が完全消滅した。 【動画】先発の松本は清宮に先制3ランを浴び、がっくりとした表情 厳しい試合内容となった。先発の松本航が3回に2四球を与え、一死一、二塁のピンチに清宮幸太郎に先制3ランを浴びた。 やり返したい打線も再三の併殺打と好機をつぶした。日本ハムを上回る9安打をマークしながら効果的に得点に結び付けられなかったのも響いた。 開幕から低迷、迷走したチームに上がり目が見られない。8月下旬に早々とCS争いからも脱落、昨年は5位、今季は最下位確定とファンの嘆きの声も大きくなっている。 低迷の一つには、毎年のように主力選手のFA引き留めが叶わないことにもある。昨オフも主力の山川穂高がFA権を行使し、ソフトバンクへ移籍。一昨年も主戦捕手の森友哉がオリックスに移籍と2年連続でチームの核である主力選手の流出を招いている。 近年においても2018年オフに浅村栄斗が楽天へ、捕手の炭谷銀仁朗が巨人(その後、西武に復帰)、19年オフにメジャー移籍した秋山翔吾も日本球界の復帰先に広島を選ぶなど、魅力あるチーム作りが求められている。 また今シーズンの戦いにおいて分岐点となったのは、交流戦直前の監督交代劇だろう。開幕から苦しんでいた松井稼頭央監督から渡辺久信GMへとバトンが託され、GM兼任監督代行となったがチーム状態は上向かなかった。 2008年にチームを日本一に導いた手腕発揮が期待されたが、フロント業の兼務ともなれば、負担も半端ではない。一方、松井前監督の交代においてはフロントも明確なビジョンがあったのかも問われている。 一時代を築き、レジェンドOBでもあった松井氏は二軍監督も務め、満を持してチームを託された。開幕から下位に低迷と苦しい戦績ではあったが、実質的に解任となったことで補強面含め、フロントのバックアップ態勢は万全だったのか、チームを立て直す長期ビジョンはあるのかなど、様々な要因も指摘された。 何においてもここまで低迷すれば、首脳陣、選手の入れ替え含め、ハードなオフとなることは間違いない。 一足早いストーブリーグ突入へ。常勝軍団復活のための施策が多方面に求められることになりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]