全国初、燃料電池車「クラウンFCEV」のパトカー登場 福島県警が交通機動隊に配備
福島県警が全国で初めてトヨタの燃料電池車「クラウンFCEV」をパトカーに採用し25日、福島市の県警本部でお披露目式が行われた。 【写真】「クラウンFCEV」のパトカーのボンネットの内部 燃料電池車のパトカーは、警視庁や徳島県警のトヨタ「MIRAI」などがあるが、クラウンFCEVはこれまで採用実績がなかった。導入されたのは1台で、車両価格のほかにパトカーに必要な装備品などを含めた総額は約2000万円という。 燃料電池車は水素と酸素の化学反応で発電した電気を使い、モーターを回して走るため二酸化炭素(CO2)を排出しない。燃料電池車をパトカーに採用することで、水素で走るクリーンな車両に対する県民の理解を深めてもらおうという狙いがある。この車両は交通機動隊に配備され、主に福島市周辺で交通取り締まりに当たるほか、県警が関係するイベントなどでPR活動も行う。 黒と白に塗られた車体はシャープな印象。後部ドア下部には「FCEV zero emission」と書かれ、環境にやさしい燃料電池車であることをアピールしている。 全長5メートル3センチ×幅1メートル89センチでパトカーとしては大きいボディーだが、実際にハンドルを握る隊員は「最初は大きいと思ったが、慣れれば問題はない。運転した感じはすごくいい」と話していた。加速性能はガソリン車以上に優れているという。 燃料電池実用化推進協議会(東京都新宿区)の調べによると、今年12月現在で福島県内にある水素ステーションは7カ所。まだ、水素の充塡(じゅうてん)場所は限られているが、石井弘敬・交通機動隊長は「1回の充てんで700キロ以上走行が可能で、施設も県内各地にあるので不都合はない」としている。