メロン生産量日本一の県で“メロンコンシェルジュ”に聞いた!一番おいしく食べる方法とは?
メロンといえば、昔も今も高級フルーツというイメージ。何とも言えない芳醇な香りととろけるような甘みとジューシーな果肉がたまらない、憧れのフルーツ。今が旬となるメロンをせっかく食べるならおいしく食べたい!ということで、メロンのプロにおすすめの食べ方を聞いた。 【写真】種の部分の甘い果汁も残さず味わって ■25年連続メロンの生産量日本一の茨城県 静岡県のクラウンメロンや北海道の夕張メロンなどは産地も含めよく知られているメロンだが、都道府県別のメロン生産量では茨城県が日本一、しかも25年連続で全国シェアの約25%を誇る。知る人ぞ知るこの事実、25年も続いているのに意外と知られていなかったりもする。そんなメロンの一大生産地の茨城県では4月中旬から10月下旬まで、品種の異なるメロンが順に旬を迎える。 東京・銀座にある茨城県のアンテナショップ「IBARAKI sense」でもこの時期は茨城県から直送された旬のメロンが店頭に並ぶ。「IBARAKI sense」ではメロンは丸のまま1玉で販売される。店舗内の「BARA cafe」ではパフェなどメロンを使ったスイーツが販売されているので、手軽にメロンを味わうにはカフェを利用するのもいいが、せっかくの旬を満喫するなら1玉丸ごとを味わうのがおすすめだという。 去る2024年5月末、「BARA cafe」で茨城県オリジナル品種「イバラキング」を1人1玉丸ごと提供するというイベントが行われた。残念ながらすでにイベントは終了していて、今年、再度開催の予定はないが、1玉丸ごとを味わうなら、そう、店舗でなくても1玉買って自宅で食べればいい。ここでちょっと面白いデータがある。茨城県が行ったメロンに関するアンケートでは、「メロンが好きまたは普通」と答えた人のうち、約3人に1人が「子どものころ(18歳まで)に自宅でメロンを切り分けて食べた経験がない」というのだ。メロンを使ったスイーツやカットメロンなどが増えていることも背景にありそうだが、メロンの切り方がわからない、果肉ごと種を取り除いていたり、種を取ったあとに洗ったりという人もいるとか。 イベントで“メロンコンシェルジュ”としてサーブを担当した渡辺史歩さんに話を聞いてみた。 ーーまずはメロンを購入する際の選び方は? 【渡辺史歩】網目が盛り上がって綺麗に均一に広がっているもの、手に取ってみてずっしりと重みを感じられるものを選んでください。メロンは収穫後、追熟することで徐々に果肉がやわらかくなり、なめらかな口当たりが楽しめます。店頭に並んでいるメロンは、収穫後すぐのものもあるため、購入してから常温で直射日光の当たらない場所で保存し追熟させます。メロンのおしりを指で押してみて、弾力が出てきたら食べごろです。収穫日から5~7日後が“食べごろ”の目安になります。また、赤肉種の方が比較的追熟の期間が短めです。 ーー「IBARAKI sense」で販売しているメロンは陳列されている棚に食べごろが表示されていて参考になります。カットメロンの場合も見極め方がありますか? 【渡辺史歩】カットメロンは、糖度などは表示がない限りわかりませんが、断面のきめ細やかなものを選ぶと、なめらかな食感が楽しめると思います。 ーー購入したメロンはどうやって保存したらいいのでしょう? 【渡辺史歩】先にお話したように、メロンは収穫日から5~7日後が“食べごろ”の目安になります。それまでは常温で直射日光の当たらない場所で保存して追熟させます。追熟を毎日チェックする必要はないのですが、追熟する過程でメロンから甘い香りが漂ってきますので、それも食べごろのサイン。また、食べごろになったメロンは、「花落ち部」と呼ばれるお尻の部分をそっと指で押すと、少し柔らかく弾力を感じられるようになります。スーパーなどで販売されているものは、収穫日がわからないので、この甘い香りを意識してみてください。 ーー購入してすぐに冷蔵庫に保存するという人もいます。今からの時期、冷蔵庫に入れたほうが安心という声もありますが。 【渡辺史歩】メロンは食べごろの前に収穫して流通させるため、店舗に並んだタイミングではまだ食べごろ前の状態。常温で追熟して食べごろを待ちます。ですから、購入してすぐに冷蔵庫に入れると追熟が止まってしまうため、せっかくのメロンのおいしさを引き出せないことになります。食べるときは冷やしたほうがおいしいので、食べごろになったメロンを食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やしていただくことをおすすめしています。 ーー基本的なことですが、メロンの切り方や種の取り方を教えてください。 【渡辺史歩】メロンは縦に半分に切ります。これも知らない方がいて、横にカットしてしまう人もいますが写真のように縦に切ります。贅沢な食べ方ですが、このままスプーンですくって食べるのがおいしいです。種の周りが一番甘いので、地元ではスイカのように種ごと口に入れて種だけ吐き出すという食べ方をする人もいるくらい。なので、種を取るときはなるべく実を削らないようにスプーンですくい取ってください。家庭で食べるなら種が付いたまま1/4~1/8にカットして、自分でスプーンで種を取りながら食べるのもいいと思います。果汁も残さず味わってメロンのおいしさを堪能してほしいですね。 ーーおいしく食べるには半分にカットするだけでいいんですね。種が取り切れないと洗う人もいるそうですが、一番甘くておいしい部分を洗うなんてもったいないことです。では、1玉を一度に食べきれない場合はどうやって保存したらいいですか? 【渡辺史歩】食べきれない時は種を取り除き、種を取り除いた部分にも空気が入らないようにラップをして冷蔵保存してください。熟れすぎたものや食べ残しがあるときは、種や皮を除いて果肉を食べやすいサイズに切って冷凍庫へ。そのままおいしいシャーベットとして食べたり、冷凍メロンと牛乳をミキサーにかけてメロンミルクシェイクにしたりして楽しめます。 カットメロンやメロンを使ったスイーツもおいしいが、丸ごと1玉を堪能できるのも旬の今ならではの食べ方。丸ごとのメロンをカットするのも特別感があって気分が上がる。ぜひ一度、試してみよう。