「負けて終わる」に終止符 明石商の中森投手、悔しさぶつけ9奪三振 交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第5日の16日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、明石商(兵庫)が桐生第一(群馬)を3―2で破った。 【明石商中森vs桐生第一打線】「特別な夏」の熱闘を写真特集で 「守りからリズムを作る」とはよく言ったもの。注目の投手、明石商の最速151キロ右腕・中森が言葉通りの投球を実践した。 不安定な立ち上がりで一回、1死一、二塁のピンチを招いたが、桐生第一の4番・中島の三遊間の深い打球を、遊撃手の井上が逆シングルで捕球し、すぐさま三塁へ送球し封殺。後続を断つと、尻上がりに調子を上げた。三回には1番・飯塚に150キロをマーク。相手打線の早打ちにも、力強い直球にスライダーとチェンジアップで的を絞らせず、五回は6球、六回は7球で3人を仕留め、あっという間にベンチに帰還。リズムを作ると味方打線が奮起し、六回に2点を先取した。 2年前の夏、1回戦の八戸学院光星(青森)戦で145キロを投げて甲子園デビューを果たした。2年時の昨年はエースとしてチームを春夏4強入りに導いた。だが中森自身、そんな実績とは対照的な思いを抱いていた。 「今まで最終的に自分が投げて負けている。最後は自分が投げて勝って終わりたい」 7日の兵庫独自大会でも延長十一回、タイブレークの末に打たれて敗れた。「悔しさを交流試合にぶつけたい」と気合十分で臨んだ4回目の甲子園。「何回来てもいいところ。投げやすいマウンドだった」と9三振を奪い、2失点で完投した。高校最後のマウンドで「負けて終わる」ジンクスに終止符を打った。【安田光高】 ◇最終日もライブ中継 ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にどうぞご注目ください。