パリ五輪メンバー18名を発表! OAなしで挑む大岩ジャパンの自信と覚悟
オーバーエイジ(OA)枠なし。松木玖生(FC東京)と鈴木彩艶(シント=トロイデン)が選外。既定路線とはいえ、久保建英(レアル・ソシエダ)や鈴木唯人(ブレンビー)も招集外。 パリ五輪に出場するU-23日本代表メンバー発表は“波乱”の様相だった。OA枠なしは08年北京五輪以来で、なおかつこの年代の主力選手が不在なのだから波乱に見えるのは仕方ない。 ただ、OA枠に関して言えば過去の活用例を見ても海外クラブからの参加は04年アテネ五輪の小野伸二(当時フェイエノールト)、12年ロンドン五輪の吉田麻也(当時VVV)、21年東京五輪の吉田(当時サンプドリア)、遠藤航(当時シュツットガルト)のみ。延べ13人のOA枠選手の中で4人しかいないことからも分かるように、招集が難しいのは今回に限った話ではない。 また、クラブ事情の急変で出場辞退となった16年リオデジャネイロ五輪の久保裕也(当時ヤングボーイズ)のケースでは、バックアップとしてブラジルに帯同していた鈴木武蔵(当時新潟)を、登録変更期限の前日である初戦の2日前に正メンバーとして入れ替えた。しかし、パリ五輪のレギュレーションではクラブ事情による入れ替えは認められず、ケガや体調不良時のみ可能。直前の混乱というリスクを回避するためにも、より手堅いメンバー選考が必要だった。
◾️全選手が自らの手で勝ち取ったパリへの切符
前置きが長くなったが、パリ五輪に出場する大岩剛ジャパンは決して期待感が小さいわけではない。まず、Jクラブなら協力してくれた可能性があるかもしれないと考えれば、今回決まった18人は“JリーグからOAを選ぶ”という選択を消したメンバーだと言える。〈※北京五輪は候補だった大久保嘉人(当時神戸)はクラブが許可せず、遠藤保仁(当時G大阪)は体調不良で内定辞退〉 Jリーガーは18人中12人。その全員が4月から5月にかけてカタールで開催されたU23アジアカップ兼パリ五輪アジア最終予選に出場し、パリ五輪切符を自分たちの手で掴んでいる。試合を重ねる毎に一体感を増したことは、彼ら自身にとっても大きな手応えとなっている。 アジア最終予選以降の“競争”も彼らを成長させている。アジア最終予選時のメンバーは23人だったが、パリ五輪は18人。OAの3枠を除けば15人しか生き残れない状況であり、なおかつ久保や鈴木彩艶、鈴木唯人はもちろん、斉藤光毅(ロンメル)や三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)といった海外組の実力を考慮すると、最終予選23人の中でパリに行けるのは10人前後になる可能性があった。