パリ五輪メンバー18名を発表! OAなしで挑む大岩ジャパンの自信と覚悟
◾️短期決戦で求められるポリバレント性
そういった状況で、Jクラブの選手たちは7月3日のメンバー発表まで6月の米国遠征もこなしながら全力でアピールしてきた。J1で8得点を挙げている藤尾翔太と平河悠は町田のJ1首位に貢献。川﨑颯大(京都)や西尾隆矢(C大阪)は所属でキャプテンマークを巻いてチームを牽引している。 海外組もアジア最終予選で抜群のキャプテンシーを見せた藤田譲瑠チマ、リーダシップを取れる山本理仁のシント=トロイデンコンビは大岩ジャパンで中核を担うだけの信頼を積み重ねてきた。 16人のフィールド選手を見ると、複数ポジションをこなせる選手が目を引くだけでなく、実際に大岩ジャパンでさまざまな起用法を試されてきたことが強みになる。 4-3-3をベースに考えると、前線では藤尾が1トップと右ウイング、平河は左右ウイング、三戸舜介が右ウイングとインサイドハーフ。川﨑はインサイドハーフやアンカーのほか、ダブルボランチとしても機能するし、京都ではウイングもやっている。途中出場で安心してどのポジションも任せられる選手でもある。 守備陣では半田陸(G大阪)が左右両サイドバックをこなし、右サイドバックが本職の関根大輝(柏)はセンターバックも可能。高井幸大(川﨑F)はセンターバックとボランチができる。 大岩剛監督によるチームマネジメントも期待を膨らませる。大岩監督はアジア最終予選でキャプテンに藤田を選んだのと同時に、副キャプテン4人を指名した。卓越した統率力を持つ藤田を軸としつつ、負担が1人に偏らないようにし、4人に責任感も持たせた。4人のうち、内野貴史(デュッセルドルフ)と松木は選外となったが、山本と西尾は肩書きは別としてパリでもリーダシップを発揮するだろう。
◾️56年ぶりのメダル獲得が期待される大岩ジャパン
グループDの大岩ジャパンは24日にパラグアイ、27日にマリ、30日にイスラエルと対戦する。難敵が揃うが、どの相手にも勝利できる力はある。 初戦の先発予想は、GKがアジア最終予選で日本を何度も救った小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)。4バックは右から関根、高井、木村誠二(鳥栖)、大畑歩夢(浦和)。アンカーに藤田、インサイドハーフは山本と荒木遼太郎(FC東京)。1トップは細谷真大(柏)、左ウイングに斉藤。右ウイングは三戸が濃厚だが、サイドで体を張れる藤尾も考えられる。佐藤恵允(ブレーメン)や平河は守備でも貢献できる。 中2日のグループステージ3連戦はアジア最終予選で経験済み。23人がいたアジア最終予選では積極的にターンオーバーしたがパリ五輪は18人。各試合の先発選びも含めて大岩監督にとっては手腕の見せ所となる。 GK野澤大志ブランドン(FC東京)も含め、18人がまず目指すのは1968年メキシコ五輪以来、56年ぶりのメダル獲得。その先にある最終目標の金メダルに向けて一丸となって戦っていく姿を見届けたい。
矢内由美子