都内でも目撃情報 主食のドングリ“大凶作”…冬眠前のクマ出没 えさ不足で行動範囲は“5倍以上”に 【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
23日のギモンは「関東でも…クマ出没のワケ」です。 行楽シーズンまっただ中ですが、今年はより一層クマへの警戒が必要となっています。関東の人たちも他人事(ひとごと)ではありません。 23日朝、岐阜県飛騨市では、小学生らがクマ鈴をつけて学校に向かっていました。というのも、22日にこの付近で男性がクマに襲われ、太ももをかまれるなどして重傷を負ったからです。 そして、岩手県花巻市でも22日、88歳の男性がクマに襲われけがをしました。男性は柿の木にクマよけのライトを設置しようとしていたところ襲われたということです。 その状況と対策を考えていきたいと思います。 【23日のポイント】 ◇市街地にクマ なぜ激増? ◇いつ・どのように気をつける?
■町田市や八王子市でも目撃情報が…
まずは、今年どれくらいクマの被害が多いかというと、環境省の統計(9月末の暫定値)では、最も多いのが「秋田県」で28件、次いで「岩手県」で27件です。関東では「群馬県」でも2件の被害が出ていて、西の方だと「京都府」や「島根県」でもそれぞれ1件、確認されています。 この被害状況は、過去最多レベルだといいます。ただ、これは9月末の暫定値で、10月に入ってからさらに被害は増加し、秋田県では50人を超えています。
目撃件数でいくと、この10倍、20倍あって、東京も例外ではありません。東京都環境局ホームページによると、23区はありませんが、都内でも20日の時点で「町田市」「八王子市」「青梅市」などで111件確認されています。
■犬以上の嗅覚…5キロ先のにおいも
では、そもそもどうして今年はこんなにクマの出没が多いのか見ていきます。 クマの生態に詳しい石川県立大学・大井徹特任教授によると、大きな要因に「ドングリの大凶作」があるといいます。クマの主食であるエサが足りないため、エサを求めて人が住む場所に下りてきているそうです。そのクマの行動範囲でいうと、通常、オスのクマの場合、平均で40平方キロメートル程度だそうです。これが、ドングリなどが不足する年は5倍以上、拡大するといわれています。手つかずになっている里山のドングリが意外と育っていて、そちらの方にも下りてくるといいます。