都内でも目撃情報 主食のドングリ“大凶作”…冬眠前のクマ出没 えさ不足で行動範囲は“5倍以上”に 【#みんなのギモン】
では、どのような経緯で市街地に下りてくるか確認していきます。 今の時期のクマは、冬の間生き延びるために、食べて脂肪をつけなければいけません。感覚でいうと、食べても食べてもおなかがいっぱいにならない状況だそうです。この状態で山にはエサがない。遠くにいかないといけない。ここで嗅覚を働かせるわけですが、クマの嗅覚は犬以上で、5キロ先のにおいをかげるそうです。そのため、遠く離れた場所にある、人間の生活圏にある「柿」や「栗」「生ゴミ」などのにおいを察知できて、山からどんどん住宅の方へ向かうということです。 そして何が起こるかというと、人や車に遭遇して驚いてしまって、自分がどこにいるのかもわからないパニック状態になり、人にけがをさせるということです。ですから、市街地で目撃されるクマは、興奮状態で大変危険だといえます。
■伊豆半島に“いないはず”ツキノワグマが罠に 生息エリアが拡大
さらに、「ドングリの凶作」以外の要因もありそうです。20日、静岡県の伊豆半島にある河津町で、ツキノワグマが罠にかかりました。伊豆半島は「100年ほど前にツキノワグマがいなくなった」といわれている地域です。 大井特任教授によると近年、クマの生息エリアが拡大しているといいます。はっきりとした原因はわかっていませんが、クマの個体数が増えたことで、それまですんでいた場所が過密状態になり、なわばり争いに負けたクマがすんでいる場所を追われたことなどが要因として考えられるということです。
■気をつけるべき時間帯は? 警戒は何月まで?
では、続いてのポイントは「いつ・どのように気をつける?」です まずは、気をつけるべき時間帯があります。山の中で過ごすクマは日中を中心に活動します。しかし、市街地に現れるクマは人目を避けるため夜型だそうです。そのため、人間の活動時間と重ねると、気をつけるべき時間帯は「夕方」と「朝」です。 そして、何月までクマに警戒しなければいけないのか。出没は「冬眠に入る12月上旬まで続く」そうです。
■もしクマに遭遇したら? 抵抗できない時にとる“守りの体勢”
行楽シーズンで普段よりも遠出するという方もいるかと思いますので、クマに遭遇したらどうするかお伝えします。 一番大事なのは、背中を向けて、振り返って逃げないことです。クマが落ち着いている状態なら、クマを見ながら、体をクマに向けてゆっくり後退し、車に乗ったり建物の中に隠れます。もしクマが襲ってきて抵抗できない場合はうつぶせになって、頭と顔、首筋、おなかを守る体勢をとります。持っている荷物でなどで首筋を覆うようにするのも良いということです。うつぶせになった際は、ひっくり返されないために足を広げて踏ん張りが利く体勢をとるといいそうです。 里山に近づく方は「一人で行動しない」「クマスプレーを用意する」など遭遇した時のことを考えて事前の準備をしておきましょう。 (2023年10月23日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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