「子どもにやる気を出させるには“ストレス”が肝」元小学校教諭が断言するワケ
子どものやる気をだしたい…!
「うちの子、やる気にムラがあって…」実は、子どものやる気を引き出すカギは、意外なところに隠されています。 「また間違えてる!」元小学校教諭が警鐘を鳴らす、親がついやりがちな“ダメ出し”が子どもに及ぼす悪影響 そこで、ポットキャスト2冠を達成した人気番組「子育てのラジオ『Teacher Teacher』」のMCの福田遼さんと、秋山仁志さんの著書『先生、どうする!? 子どものお悩み110番』(PHP研究所)から一部抜粋して、「Q.子どもの「やる気スイッチ」を入れたい」というトピックスをご紹介。 元小学校教諭の福田遼さんが脳科学の視点から、子どものやる気を引き出すための具体的な方法を解説してくれました。
Q.子どもの「やる気スイッチ」を入れたい
A.自分で小さな目標を立てて、クリアする経験を重ねよう 【親御さんからのお悩み】 やる気があるときと、ないときの差が、天と地ほどあります。
締め切りに追われると「やる気」が出る、その正体は「ストレス」
【ひとし】 やる気があるときと、ないときに波があって心配されているというお悩みですね。お子さんに「やる気になってほしい」と思ってる親御さんは多そうだね。 【はるか】 うん。今回は「やる気」について、脳科学の視点からお話ししたいなと思います。子どもって、脳科学系のお話大好きなんだよ。根拠があればあるほど、しっかり話を聞いてくれる。 【ひとし】 へえ、そうなんだ。じゃあズバリ、どうしたらやる気をアップさせられるんですか? 【はるか】 子どものやる気を出すためには、「子どもが自分の意志で、自分にストレスをかける状態をつくること」が大切です。 【ひとし】 ストレスをかけていいんだ? 【はるか】 そう! 実はやる気の肝になるのは「ストレス」なんです。 今日は二つの神経伝達物質が登場します。 まず一つめはストレスホルモンの一種である「ノルアドレナリン※1」。なんらかのストレスがかかって、この物質が分泌されると、集中力が高まったり、記憶力が高まったりするんだよね。 ※1 ノルアドレナリン:激しい感情や強い肉体作業などでストレスを感じたときに放出される神経伝達物質。放出されると、交感神経の活動が高まり、血圧や心拍数が上昇し、体が活動に適した状態になる。ただし、その働きが不均衡になると神経症やパニック症、うつ病などを引き起こすと言われている。 【ひとし】 え、どういうこと? 【はるか】 わかりやすい例として夏休みの宿題を思い出してください。夏休みに入ってすぐは、やる気にならないよね。でも、夏休みが終わりに近づくにつれて「やべー!」って焦るでしょ? そして気づいたら集中していて、なんだかんだ終わらせてる。 【ひとし】 たしかに、なんだかんだみんなやってた(笑)。 【はるか】 つまり、人はプレッシャーを感じたり、締め切りが近づいたりすると、「やばい、やらなきゃ」とストレスを感じて、ノルアドレナリンが分泌される。すると、半ば無理やり集中力やモチベーションが上がるんです。 【ひとし】 なるほど。 【はるか】 実際、小学校や塾は、この「やる気スイッチ」をかなり活用してるはずです。テストがあるから勉強しなさい。宿題はこの日までに終わらせなさい。何分以内に解きなさい。まさに、プレッシャーをかけることで、無理やり子どもたちの集中力を上げさせている状態なんだよね。 だけど、このスイッチの入れ方って、かなりデメリットも大きいんです。なんだと思う? 【ひとし】 うーん。ストレスが強すぎて、心が病みそう。 【はるか】 病むよね。そして勉強を……? 【ひとし】 嫌いになる! たしかにそれは一番良くないね。 しかし、親が注意すべきことがあって……。そのお話は次回で。