アレン様、親への感謝は「行動で示す」大人になって再発見した地元の魅力。幼少期は「心が死んでいる状態だったんでしょうね」
外で感じたストレスを家庭にぶつけることしかできなかった
ーー『全てアレン様が正しいでございます』にも、<心の片隅には地元の奴らを見返したいっていう、劣等感から来る欲望も同時に心にあるわけ>など、「見返したい」という心情が多く登場します。アレン様にとって地元とは、どんな存在なんでしょうか。 「ヮタクシは中学生のときに少年院に入って県外に行っちゃったので、高知にちゃんと住んだのは13,4年くらいなんです。その期間のいい思い出を聞かれても、ないじゃない。小学校6年間はクソみたいに馴染めなかったし、中学受験をして環境を変えようと思った先でも失敗していじめにあって、そこから反発して荒ぶっちゃって、地元を離れなきゃいけなくなって(笑)。卒業式だって縁もゆかりもない香川県でやることになったしね」 特に小学校時代は感情をコントロールすることが難しかった。友だちがいない自分を恥じ、押し寄せるさまざまなストレスが家で爆発していた。 「子どもって“友だちがたくさんいることが勝ち”みたいな価値観があるじゃない。大人になるとそんなことクソどうでもいいけど、ヮタクシはそれがすべてだったから。だからどんどん心に歪みが溜まって、家の中で暴れるしかなかった。意味もなく暴れてたの。親にちょっとでも気に入らないことがあったら、家が壊れそうなほどバーーーンッ!って扉を閉めたり、お茶碗を割ったり。感情をぶつけるのは、家しかなかったんだよね。親からすると、たまったものじゃなかったと思うわ」
「大人になって初めて高知の魅力を知った」
振り返ると「ちゃんと過ごした期間がない」という地元・高知。だからこそいま、まっさらな状態であることがメリットになっているという。 「だからこそ、大人になって初めて高知の魅力を知ったんですよね。幼少期に来ていたけど、当時は味も入ってこなかったこの店、美味しいじゃん! みたいな。あのときは心が死んでいる状態で、感性が全部鈍っていたんでしょうね。だから大人になって、ちゃんとよさを知ることができて、好きになり始めているんです」 ーー生まれ直したような感覚ですね。 「そうそうそう。当時を埋めようとしているの。親に対しても申し訳ない気持ちがあるから、回収しないとヤバいと思ってるわ」 ーー親御さんはアレン様がそう思っていることは知っていますか? 「いちいち言わないですけど、行動で表すようにしています。たとえば、家族でごはんに行くときはヮタクシが全額出すとか、感謝を伝えるとか。中学受験のために塾に通わせてもらったけど、ガーガー寝て金を無駄に使わせて、補欠合格できて中学入学したのはいいけど中2から卒業まで少年院に入っていたし。全部結果を残せてない子なので(笑)。だから、親と会うときくらいは行動で示すようにしてるわ」 自身のSNSやYouTubeでも、高知(ドバイ)の魅力やゆかりのある場所をたびたび発信しているアレン様。地元にいい思い出がなければ、これから作っていけばいいーー愛すら感じる地元への前向きな想いを感じるのだった。 アレン様 大物マダムタレント。生きる幻。中学時代に激しいいじめを経験し、非行に走り少年院に入院。高校に進学するも17歳で中退して上京する。19歳で初めて整形を行い、現在まで施術額は1億円を超える。2014年3月に『私の何がイケないの?』(TBS系)に出演したことをきっかけにタレントデビュー。2020年に『アウト×デラックス』(フジテレビ系)への出演で一般知名度が急上昇。近年は活動の場をSNSやYouTubeに移し、その一挙手一投足が常に話題となっている。イベントを開催すれば即ソールドアウト、最近では「アレン様の写真を待ち受けにすると幸運が訪れる」という伝説まで誕生した。 有山千春
有山千春