【雇用保険改正】2025年に自己都合退職者が相次ぐ理由とは。改正のポイントをわかりやすく解説
2024年5月10日に雇用保険法等の一部を改正する法律が成立しました。今回の改正では、雇用セーフティネットの拡大やキャリア形成に役立つ学び直しなどが強化されています。 ◆【写真10枚】雇用保険改正の主なポイントを図表でチェック しかし、今まで雇用保険の被保険者でなかった方や、受給手続きを行ったことがない方にはイメージしにくいかもしれません。そこで本記事では、具体的な改正ポイントや改正後に予想される問題点について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
雇用保険の一部改正が成立した背景
雇用保険法が改正されたポイントを解説する前に、改正に至る背景や目的について確認していきましょう。 ●多様な働き方を支えるセーフティネットの拡大 雇用保険の改正が成立した背景には、多様な働き方の進展が挙げられます。総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」では、パート・アルバイトの雇用形態が2022年度の前年比で11万人増加したことが確認できます。 また、2013~2023年までの期間で週間就業時間が20時間未満の雇用者数が右肩上がりに増え続けているのもポイントです。雇用のセーフティネットを拡大するためにも雇用保険法の改正に踏み切ったことが予想されます。 ●教育訓練やリスキリング支援の充実化 労働者への公的支援を充実化させることにより、賃金の上昇や再就職への効果を高める狙いがあります。国は物価高を上回る所得の増加を実現するために、教育訓練給付の拡充以外にもさまざまな積極的な取り組みを行っています。 なお、今回の改正で特に注目したいのが教育訓練後に賃金が上昇したり、資格習得後に就職したりした場合に受講費用の10%が追加で支給される点です。専門スキルの習得や資格の取得を実現したい方などをさらに後押しする仕組みになっています。 ●育児休業給付の増加による財政基盤の強化 育児休業の取得者が増加したことによる財政基盤の強化も、雇用保険を改正した理由のひとつでしょう。厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」によれば、男性の育児休業取得率は年々増加していることが確認できます。 特に2019年から大幅に取得率が伸びており、安定的な財政運営を実現するためにも財政基盤の強化が急務であるといえるでしょう。では、次に具体的にどのような改正が実施されるのか確認していきます。