タイ中銀、政策金利据え置き 先行き不透明
[バンコク 18日 ロイター] - タイ中央銀行は18日、政策金利の翌日物レポ金利を予想通り2.25%に据え置いた。先行き不透明感が高まる中、金融政策の決定では海外の動向を注視する必要があると表明した。 10月は予想外の利下げを実施していた。金利据え置きは全会一致で決まった。 ロイター調査ではエコノミスト30人中28人が据え置き、2人が25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想していた。予想中央値では来年半ばまでに25bpの利下げがあると見込まれている。 中銀は今回の決定について、経済の軌道に沿ったものであり、主要国の政策が不透明感を増す中、政策の余地を残したと表明。 「委員会は今後の不確実性の高まりを認識しており、今後の金融政策を検討する上で経済成長とインフレの見通しを注視する必要があると考えている」と述べた。 中銀のSakkapop Panyanukul総裁補は会見で「中銀は必要に応じて金利を調整する用意がある」とし「(金利は)まだ中立ゾーンにある。経済見通しに明らかに問題があると判断した場合は、調整する用意がある」と述べた。デフレのリスクはないとの認識も示した。 中銀は経済成長予測を今年2.7%、来年2.9%にそれぞれ据え置いた。 今年の総合インフレ率の予測は0.5%から0.4%に下方修正。目標レンジの1─3%を下回っている。来年の予測は1.2%から1.1%に下方修正した。 パンテオン・マクロエコノミクスの新興国アジア担当チーフエコノミスト、ミゲル・チャンコ氏は、次の利下げが来年第2・四半期になる可能性が高いと指摘。利下げ幅は25bpで、最後の利下げになるとの見方を示した。 キャピタル・エコノミクスのシニア・アジア・エコノミスト、ガレス・レザー氏は来年中に75bpの利下げがあると予想。「(インフレ率は)非常に低い水準にとどまり、成長が難しくなる可能性が高い」と述べた。 中銀は外国人観光客の入国者数について、今年3600万人、来年3950万人との予測を据え置いた。 今年の輸出の増加率の予想は2.8%から4.9%に引き上げた。来年については2.0%から2.7%に上方修正した。 ピチャイ財務相は16日、追加利下げを望むと発言。中銀のセタプット総裁は今月、金利だけでは全てに対処できないため、ポリシーミックスが必要だとの認識を示した。