大阪~名古屋の“裏ルート”が超快適に!?「清滝生駒道路」工事進行中 高架が見えてきた“第三阪奈道路”のスゴさとは
生駒山地を抜ける東西軸をスムーズ化
大阪府から京都府南部・奈良市・三重県方面へつなぐルートが、渋滞地点スルーの高規格化をめざして「清滝生駒道路」として整備中です。 いったいどのようなルートで、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが「清滝生駒道路」ルートと工事状況です(23枚)
清滝生駒道路は、国道163号の高規格化事業です。 大阪府と奈良県のあいだには、南北に急峻な生駒山地が伸び、高い壁となって両府県を分断しています。 そのため、両府県の移動ルートは限られており、トンネルもしくは山道となっています。 今ある高規格道路としては、都心部からまっすぐ東進して山をつらぬく「第二阪奈道路」があるのみで、あとは生駒山地南端を抜ける「西名阪道路」くらいです。 あとは大東市から生駒市へ抜ける峠越えルート「阪奈道路」があるほか、門真市・四條畷市から生駒市北部を抜ける国道163号があります。 この国道163号は、大阪府北河内エリアにとっては貴重な東西軸ですが、四條畷市の平野側は改良済みなものの、峠を越えた先は、まだまだ旧態依然として2車線の状況で、さらに信号待ち渋滞も大きな課題となっています。 そこで、4車線化および交差点の立体化を図るのが、清滝生駒道路です。 具体的には、山を「清滝トンネル」で抜けた直後の「下田原ランプ」で終わっているのを、そのまま東へ延伸。「下田原東ランプ」「高山西ランプ」「高山ランプ」で、主要渋滞ポイントである信号交差点をスルーします。 さて気になる進捗ですが、工事を担当する浪速国道事務所が、11月時点の工事状況を公開しました。 それによると、まず天野川と国道168号をまたぐ部分は、高架橋の両端部である「橋台」が姿を現しています。東側でも、谷に対して盛土が立ち上がっていく部分が、徐々に完成形へ近づいています。この工区は現時点で、他工区の進捗が追い付くのを待っている状況です。 いっぽう、富雄川と県道「枚方大和郡山線」をまたぐ高架は、橋脚がニョキニョキと立ち並んでいる状況。橋脚工事はまだ続いていて、それが終わればいよいよ橋桁を架ける段階へ移っていくこととなります。 ところで、清滝生駒道路は、東端で京都府に入ると、今度は京都側の事業「精華拡幅」が行われています。 最大の渋滞ポイントである「乾谷交差点」は2023年5月に立体化し、信号スルーが実現。他区間でもバイパス整備作業が進んでいます。 これらが完成すれば、木津を越えて、伊賀上野から名阪国道、名古屋方面へつなぐ重要なネットワークが、いよいよ近代的な構造に生まれ変わることとなります。四条畷~京都府内の全通効果は22分に達すると試算されています。 とにかく生駒山地によって「まともな阪奈間ルートが無い」地理的状況が、少しでも劇的改善されることとなる清滝生駒道路。完成へ期待がかかっています。
くるまのニュース編集部