【解説】台風10号の最新予想進路や接近に伴う大雨の見通しなど松浦悠真気象予報士が詳しくお伝え(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
(徳増 ないる キャスター) ここからは気象予報士の松浦さんと台風情報を詳しくお伝えしていきます。松浦さん、29日夜から30日昼前にかけて線状降水帯が発生してもおかしくないという予測の情報が出ているんですよね。 (松浦 悠真 気象予報士) そうです。台風10号の影響が、これから大きくでてきそうです。静岡市南部がちょうどいま、非常に活発な雨雲がかかっている状況なんですね。焼津市周辺などもかなり(雨雲が)発達していまして、ちょうど風がぶつかりあうことによって、局地的に雨雲が発達していると。ここ数日、夜中になって急に雨雲が発達するということがたびたびありましたけれども、その時と同じような形でして、雲を流す風が弱いということから、今後の動きも弱いので、ここからしばらくは激しい雨が降り続くということが考えられます。 (徳増 ないる キャスター) では、いま雨が降っていると思われる場所を情報カメラで見てみましょう。静岡空港の様子ですけれども、静岡県中部、現在このあたりも雨が降っているという状況です。 (松浦 悠真 気象予報士) 静岡空港周辺も、これまでに降った雨の量がかなり多くなっている地域ですので、今後の降り方次第で、この地域で何かしらの被害が発生してもおかしくない状況ですね。 (徳増 ないる キャスター) 雨粒がカメラについています。そしてこちらは静岡市葵区の市街地の状況ですけれども、車がワイパーを動かしながら走行している様子がわかります。かなり視界が悪くなってきている様子ですね。 (松浦 悠真 気象予報士) そうですね、1時間に50ミリから60ミリ程度これから降る予想で、そうなってきますと、道路のアンダーパスですとか、そういったところが冠水してしまうといったことも考えられますので、ちょうどお帰りの時間だとは思うのですけれども、車の運転も、これからは十分注意していただきたいですね。 (徳増 ないる キャスター) 気を付けて移動してください。では、台風の動きです。 (松浦 悠真 気象予報士) 台風10号なんですが、現在は九州の西の海岸あたりを北に進んでいるところです。ここからようやく向きを変えるという段階に入ってきそうですね。30日になりますと、東寄りに向きを変えてきまして、まず、九州の北部あたりを東へと進んでいきそうです。そして、そのまま西日本のあたりを、東に進んでいくのですけれども、31日土曜日の予報円と、9月1日の日曜日の予報円がほとんど同じ場所にあるんですね。ですから31日土曜日あたりに、近畿地方あたりに進んだところで、一旦ほとんど停滞する可能性があるんです。1日の日曜日になって、そのあと、少しずつ北の方向へ進んでいくという予想になっていまして、28日までの予想だと、土曜日くらいまでという予想だったのですが、29日の最新の予想では、1日の日曜日までは、県内では大雨が降り続く可能性が非常に高いというふうにみています。 (徳増 ないる キャスター) 1日、2日と県内に接近すると。 (松浦 悠真 気象予報士) 今回、台風の動きが遅いということと、台風と静岡県の位置関係が非常に重要なんです。台風10号の西側は、乾燥した空気が、北から入り始めていますので、雲がほとんどないんですね。一方で、台風の東側、南寄りの風が入りやすくなっていて、東側の高気圧の間のところで、ちょうど湿った空気の通り道ができています。その延長線上が、ちょうど静岡県内が入っているということから、台風の位置が、静岡県よりも東に完全に過ぎ去るまでは、南風が入って大雨が続いてしまうということになるんです。 (徳増 ないる キャスター) まさにこれから、どれくらいの雨量になりそうでしょうか。 (松浦 悠真 気象予報士) 最新の予想雨量なんですが、静岡県内、全地方です。30日の夕方までで、多いところでは300ミリ、28日の予想より若干多めに予想されています。そして31日の土曜日の夕方までも300ミリ、さらにその後24時間でも多いところでは300ミリ、同じ場所でずっと300ミリが降り続くわけではないのですが、この予想がずっと続いているというのは、台風の接近にしてはかなり珍しいことになります。特に29日夜から30日の午前中にかけまして、線状降水帯が発生する恐れがありますので、こういった300,という数字が24時間ではなくて、半日ですとか、6時間ですとか、もっと短い時間で降ってしまうと、かなり被害が大きくなるということも考えられるんです。 (徳増 ないる キャスター) 警戒が必要な線状降水帯ですが、どのような仕組みで発生するのでしょうか。 (松浦 悠真 気象予報士) 県内では、特に夜間はですね、西から東に伸びる活発な雨雲の帯ができやすくなるんですけれども、これが局地的な前線、これだけでも線状降水帯の発生につながることもあるのですけれども、今回、夜は、南海上から別の、ある種の前線、気圧の谷が北上していくんですね。この局地的な前線と、重なり合うところで、積乱雲が急速に発達して、さらに、その南から水蒸気の供給が絶たれないので、その積乱雲が発達した状態が維持されるということから、最終的に線状降水帯の発生つながるということが考えられるんです。 実際に雨雲の様子をみてみますと、29日から30日の早朝くらいまでは、県内に活発な雨雲が停滞する予想となっていますので、夜間に災害の危険度が急激に高まる恐れがあるというので、今夜29日夜は安全なところでお過ごしいただきたいです。