南野陽子さん「誰かのために」の思い強く 震災30年を前に伊丹市長と対談 母校の思い出など語る
兵庫県伊丹市出身の俳優で歌手の南野陽子さんが29日、同市役所を訪れ、藤原保幸市長と対談した。阪神・淡路大震災から来年で30年となることに触れ、「震災で家族を亡くした主婦を演じたばかり。誰かのために何かをしたいという思いが年々強くなっている」と話した。 【写真】南野陽子さん、アイドル時代「生意気」だったのは理由があった 今は更年期のしんどさに直面 小学3年から17歳で上京するまで伊丹で過ごした南野さんは2008年、伊丹大使に就任。今年は歌手として公演し、来月は県立芸術文化センター(西宮市)で舞台が控えている。来年で芸能活動40周年を迎える。 伊丹市への公式訪問は9年ぶり。仕事で近くに来ると、「ルーツ巡り」を楽しむといい、「母校の伊丹小学校への通学路は、テンションが3段階くらい上がる」と声を弾ませた。 また「小学校で友だちとピンクレディーのまねをして夢を育んだ」「小説家の田辺聖子さんの家が近くにあった」「家族と夜の空港を訪れ、大人の気分を味わった」などと、子どもの頃の思い出を語った。 震災発生時は、東京都内でドラマの撮影中。実家は無事だったが、ラジオから聞こえる被災地の情報に胸を痛めた。「遠く離れた場所にいて、ただ被災地を思うことしかできなかった。その後は役を演じるなど、自分にできることを常に考えている」と被災地への思いを語った。 同じ伊丹大使の俳優有村架純さんに関して「ほくろが同じ場所にあるので、同じ人物を演じられるかも」と笑顔で話す場面もあった。(冨田佳久)