【証言・北方領土】水晶島と国後島・元島民 佐藤健夫さん(4)
2島返還は実現してほしい
―日露首脳会談が予定されている。 70年間、返還運動ずっと続いてきてね、全然前進がないでしょう。だからね、もう我々、少し上の方はね、漁具、漁具ね、もう島帰ったら、すぐ島に行くんだと。漁具をね、物置にしまってね、島帰ったら、すぐ、俺は漁師としてやるんだって、ね、そして待ってる人がいたんだけど、こういって、少し前進するんでないかなと思ったら、またもとに戻ったり。 今すごく安倍さんとプーチンさん、仲がいいくて、何か前進しようと期待はしてるんだけど、意外に、ごく最近の新聞など見ると、プーチンさんも「平和条約は急がないよ」って。平和条約を急がないっていうことは領土問題も急がないっていうことなんですよね。イコールですから。 そして、何か上院議長も来てるでしょう、今、きょう帰るのかな。あの方もさ、領土問題はもう戦争の結果、ないんだよって言ってんですよね。少なくともね、私は、領土問題は存在するっていうのはね、両国で確認されてるはずなんですよ。日ソ共同宣言あるのもそうだけども、領土問題は存在してるんだよって。プーチンさんも引き分けにしようっていう、ね、妥協して引き分けにしようっていうことは、少なくとも領土問題存在してる。だけど、今の時点でさ、上院議長ったら結構な地位の人でしょう。プーチンさんの側近と言われてる人なんだけど、その人が「領土問題は存在しない」っていうようなことを言うっていうことは、あまり、そういう日本は浮かれてるっていうと変だけど、相当期待持ってるのを冷やそうとしてる、そういう動きでないかと思うんですよね。 北海道知事もさ、我々の千島連盟の理事長も、二、三日前、安倍首相と会ってんですよ。返還運動前進するようにって言ってるけど、一歩でも前進するようにって、この「一歩」っていうのはね、何を意味するかっていうことなんだよね。
私はね、道新(北海道新聞)にも取材されて言ったのは、僕は20年間やっぱり根室市に世話なってね、根室市の寂れていく姿ね、そのうちね、JRもなくなんでねえかと思う、この根室、釧路間のね。 根室っていう名前はね、もう歴史上も、もう北海道における根室っていう重みっていうのはすごいと思うんですよ。屯田兵入って開拓した歴史もあるけど、やっぱり根室県っていうね、千島列島開拓した松島藩のそういう、その中心都市が根室でだね、そこが寂れてくっていうのは耐えられないのね。だから、僕は「少しでも」っていう「一歩」でもっていうのは、やっぱ2島ね、60年のちょうどけじめ、節目なんだけど、2島返還ですよね。まずこれはね、実現させてほしいなと。色丹、歯舞群島が返ればね、これ根室はね、相当潤うと思うんですよ。島だけは知れてるけど、海がね、前の海が漁資源はあるからね。だから、それだけでもね、すごく根室のためになるわけで。 国後、択捉どうなんだっていうことだけど、これはね、僕はやっぱり4島主張するね、歴史的に見てね、根拠はあると思うんですよ。だから、その2島に、国後、択捉については、2島返還で平和条約結んだら、もう国後、択捉はもう返らんよっていう説はあるんですよ。そうだと思うけども、4島待ってたらね、これからね、何年経つんだろうかと。だから、択捉、国後については次世代で、もう仕方ないんでないか。時間かかっても、例えば共同開発して、両方の国民が住めるようになる。 ただ、そこに求められるのは、帰属の問題なんだけど、ロシア人も日本人も住むようにできるようにして、問題は法律がどうなるかっていう問題なんだよね、主権がどこんなるかっていう、そこも棚上げして、この自由に住めるような特区っていうかね、そういう島になればどうかなという、帰属、どこの国の島にするかってやっちゃうと、ちょっと埒が明かないような、もう状況になってきてると、もう、だんだんとロシア人のふるさとにもなってきてるからね。だから、国後、択捉。 僕は感じてんのは、択捉は本気で開発してると思うんですよ。ギドロストロイってね、有名なんですけど、これ水産加工場、建築土木、一流のね、そういう会社がね、本気で開拓して、温泉施設とか娯楽施設、ね、そういうものできちゃって、飛行場もできていますよね。だけど、そのときに見ると、国後って本腰で開拓してるのかなと。建物は見えますよ、確かにね、学校、文化会館、ね、電気関係も。だけど、一部分ですよ、ほんとのね、行ってみて感ずるのは。僕たちがいたその地域は全くの未開発ですからね、何も利用されていない。やっぱり本気で開発してないような気すんですよ。