【証言・北方領土】水晶島と国後島・元島民 佐藤健夫さん(4)
「『4島返せ』は難しくなってきている」
東海大学の先生などね、ロシアっていう国を見たらね、こうやってずっと見てごらんと。港ってどこなんですかって。港、ロシアのシベリアでない、ロシアの国をずっと見ていくと、南のほうは全部国境でしょ。港つくれんのはクリミア半島しかないんですよ。そこを奪う、奪ったっていうか、占領したでしょう。これはね、八方塞がりだから。あとは極東ですよ、ウラジオストクに港があるだけで。やっぱり極東が発展するためには、もっとウラジオ、極東が開けなかったら、ロシアの人口は増えていかないね。温暖化でね、シベリアの北極海のほうの氷も薄くなってきてるっていったもんね。だから、夏場はね、四、五メートルの厚さになるから、それは砕いて、船が走れるらしい。だから、最初、船を走らして、そのシベリアで、開発される石油とかガスをね、日本に輸入するために、北極海航路を、もう今年、もう間もなく、そこから輸入するんでねえでしょうか。 そのときに、どっから日本、オホーツク海、日本海に入るかってのはね、国後水道なんですよ。北極海から太平洋に出て日本に来るのには。国後水道っていうのは択捉と国後の間なんですよ。ここをすごくロシアは重要視してるよ。そういうことで、あれは。これも北方領土を解決するときの重要な要素なんですね。だから、択捉の重みってえのすごく大きくなんですよ。 そうすると、4島一括とかね、4島を返せっていうのは、だんだん、もう難しくなっている。だから、せめて国後と択捉は、主権は棚上げにしてね、共同で、住みやすい、開発して、両国民が両方で住めるような方向、こっちの2島はね、早くっていう辺りだね、今んとこ言いたいのは。そうでないと、根室管内、根室市はね、こっちはね、まだ酪農があるから成り立っていけるけど。歴史ある根室をね、やっぱり活気あるものにしてほしいなって思いますね。
―千島連盟の立場としては4島。 4島っていうのはね、これずっと組織ができてから、ずっとね。だって、そっから島の島民が引き揚げてきてるんだから。ね。ちゃんと登記されて、日本人のものだよっていうことになってきてるんだからね、そういう歴史があって、開拓もして、そういう歴史があるわけだから。 ただ、その土地でね、住んだらね、1平方キロったかい、5年間住んだら自分のものになるよっていうような法律ができたとかって、極東はもちろんそうだけど、北方領土を含めてね、サハリン、人口をふやすためにね、5年間、ちゃんと利用してやったら、自分のものにしますよっていう、そういう法律もできてるんですよ。北方領土も含まれますよっていうんだよね。