意外と知らないAdobe Acrobatのあれこれ。PDFファイルにこんな使い方があったとは…
3. スキャンした書類をきれいに整える
Acrobatなら、紙の書類をスキャナーで取り込んでPDF化したときに、書類が傾いた状態でスキャンされてしまった場合の修正も簡単です。 ツールの「スキャンとOCR」を開き、「スキャンされたファイルを補正」をクリックすれば一瞬で修正が完了。 長押しで表示されるメニューで「テキストを認識」を選んでおけば、補正と同時にOCR(光学文字認識)処理が行なわれて、テキストの選択や読み上げにも対応するようになります。 さらに、同じツール内の「ページをトリミング」アイコンをクリックして範囲を選択すれば、周囲の不要な余白もすばやく取り除くことが可能。きれいな状態で紙の書類をデジタル化して保管できます。
4. 必要なツールを簡単に見つける
Acrobatにはたくさんのツールが用意されているので、すべての機能を把握するのは大変です。 自分が行ないたい操作にどのツールを使えばいいかわからない場合は、ツールを検索してみましょう。 ホーム画面で「すべてのツールを表示」を選んでツールの一覧画面を開いたあと、上部の検索ボックスに操作内容などを入力します。 この検索機能の便利なところは、正確なツール名がわからなくても大まかなキーワードで探せること。 たとえば、「まとめる」と検索することで、複数のファイルを1つのPDFにまとめる「ファイルを結合」ツールを見つけたり、「隠す」と検索することでPDFの保護や墨消しのためのツールを探したりできます。
5.「PDFポートフォリオ」でデータ共有を簡単に
Acrobatには、1つのPDFの中に種類の異なる複数のファイルを格納できる「PDFポートフォリオ」とよばれる機能があります。これは、PDFが「封筒」のような役割を担ってくれるもの。 複数のファイルを人に送るときは、Zipファイルにまとめてメールに添付したり、クラウドストレージの共有機能を使ったりすることが多いかと思います。 その際に困るのが、メールソフトのセキュリティ制限でZipの送受信が禁止されていたり、クラウドの設定で組織外の人とファイルを共有できなかったりといったケースです。 PDFポートフォリオなら、1つのPDFファイルとして扱われるため、そのような場合の受け渡しのハードルを下げることができます。 PDFポートフォリオのつくり方は、 Acrobatの上部「作成」から新規ファイル作成画面を開き「複数のファイル」>「PDFポートフォリオを作成」を選択するだけです。
注目のAIアシスタント機能
勉強会では注目の新機能・AIアシスタントについても語られました。 アメリカでは、すでにAdobe Acrobat内で利用できるAIアシスタントが提供されています。これは、PDFファイルの内容を要約したり、チャットでファイルの内容について質問して回答を得られる機能。 日本での提供開始時期は未定とのことですが、利用可能になればさらに便利にPDFファイルを扱えるようになりそうです。
酒井麻里子