【解説】トランプ政権誕生で日本企業への影響は?“トランプ関税”に懸念の声も…石破政権の長期的安定が日米関係のカギに
石破政権の“長期的安定”が日米関係のカギに
しかし、問題がないわけではない。 今後の日米関係の行方について、石破氏とトランプ氏の関係が上手くいくかも重要であるが、石破政権が長期的に安定した政権運営が可能かどうかという点も見逃せない。安倍・トランプ時代の日米関係が良好だったのは安倍氏の尽力によるものと言えるが、当時の自民党政権が多数与党で、政治的基盤が安定していたという要因もあろう。それによって、トランプ政権と長きにわたって安定した関係を維持することができた。 一方、10月の国政選挙で自民党は大きく議席を失い、自公では過半数を下回り、石破政権は少数与党という政治的基盤が脆弱な状況にある。今後、内政や政局の混乱に追われ、外交で十分な力を発揮できなくなるシナリオは現実的に考えられるが、政権交代の連続のような事態が生じれば、トランプ氏は誰と個人的な信頼関係を作ればいいのかと日本に対して懐疑的になり、それによって、日米関係が悪い方向に舵を切ることが懸念されよう。 【執筆:株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO 和田大樹】
和田大樹