サウナ文化盛り上げる熱波師、鮭山さんが匠の技を披露 「追っ鮭」たちが至福の時間過ごす 兵庫・洲本
サウナ人気が高まる中、「アウフグースマスター」(熱波師)として活躍する鮭山(しゃけやま)未菜美さんが、兵庫県洲本市の「淡路インターナショナルホテル ザ・サンプラザ」(樫本文昭社長)を訪れ、利用者らに自慢の技を披露した。サンプラザでは、サウナストーンにアロマ水などをかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」式サウナが昨夏に誕生。鮭山さんら第一人者の助けを得ながら、サウナ文化の拡大を目指す考えだ。 サウナ内で、熱した石にアロマ入りの水などをかけて蒸気を発生させる。このスタイルは「ロウリュ」と呼ばれ、本場・北欧フィンランドの入浴方法という。生じた蒸気を、タオルでかき回すなどして利用者の発汗を促すのが「アウフグース」。これはドイツ発祥とされ、鮭山さんは「アウフグースマスター」の称号で活動する。 今回の催しは、関西ではなじみが薄いロウリュ式サウナの普及、利用促進を目指して開催された。約4年のキャリアを持つ鮭山さんはプロチームに所属し、「アウフグースチャンピオンシップジャパン」で令和4年と6年で1位に輝いた。全国100以上の温浴施設をめぐり、サウナとアウフグースの魅力発信と普及に力を尽くす。「追っ鮭」という名のファンも大勢いるという。 イベント当日、鮭山さんは会場のサウナで熱した石にアロマを詰め込んだ氷を入れたり、ほうじ茶をかけたりして多彩な香りを〝創出〟。シラカバの若い枝葉を束ねた「ヴィヒタ」や、タオルを駆使しながら、利用者らに熱い蒸気を送り込んだ。「単純に蒸気をお客さんたちに届けるだけではなく、アロマを使うことなどで健康増進につなげているんです」と鮭山さんは解説する。 「追っ鮭」の1人であり、横浜市から訪れた会社員の男性(31)は「鮭山さんの『熱波』をひとたび受ければ、元気と笑顔をもらえる。明日への活力です」と話した。 サンプラザによると、同ホテルのように「熱波師が活動できるロウリュ式サウナ」は、関西では普及していないという。熱波師が蒸気を送るうえで、サウナそのものに一定の広さが必要なためだ。今後に向けて、樫本社長は「将来は、ぜひうちのホテルで熱波師を育てたい」と抱負を語る。 京都出身の鮭山さんは「関西を盛り上げる」ことが今年の目標。サウナ人気の高まりを受け「関西に住む多くの人に、アウフグースの魅力と奥深さを伝えていきたい」と意気込む。