定年後に「毎日が日曜日」は、もはや夢の話!?「65歳以上」で働く人はどのくらい? 収支の平均も含め解説
定年退職を迎えると、毎日決まった時間に起き、出勤し、仕事をするという生活から距離をおく人も増えるでしょう。かつてはこのような定年後の生活を、「毎日が日曜日」と表現することもありました。 しかし、近年では、毎日を日曜日のように過ごせる高齢者は減ってきている現実もあります。今回は、65歳以上で働いている人の割合や、高齢者の生活実態などを紹介していきます。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
65歳以上で働いている人の割合
総務省統計局が令和4年に公表した、65歳以上の高齢者に関する統計調査によると、高齢就業者数は909万人と過去最多でした。同調査によれば高齢者の人口は3627万人なので、高齢者の就業率は約25.1%となります。実に高齢者の4人に1人が働いているということになります。 年齢が上がるにつれて就業率は下がっていきますが、65~69歳では半分以上となる50.3%が、70歳以上でも18.1%の人が働いています。高齢者の就業率は、男性では34.1%、女性では18.2%となっており、各年齢階層でも男性が女性を上回っている状況です。 65歳以上の就業者数と就業率は、ともに右肩上がりといえます。高齢化社会を迎えている日本において、今後、高齢就業者数が1000万人を超える可能性は十分にあるでしょう。
65歳以上は年金だけでは赤字?
65歳以上になっても働く人がおり、その数や割合が増えている理由の一つに、生活するためのお金を稼がなければならない状況があるとみられます。 総務省統計局の「令和4年 家計調査」の結果によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯が受けている社会保障給付の平均月額は、約22万円です。それに対して、毎月の消費支出額は平均で約23万7000円となっています。可処分所得は22万円よりも少なくなるため、平均でみても毎月2万円以上の赤字となるでしょう。 65歳以上の単身無職世帯では、社会保障給付の平均月額が約12万1000円であるのに対して、毎月の平均消費支出額は、約14万3000円となっています。やはり2万円以上の赤字となる状況です。 前述の「令和4年 家計調査」の結果によると、65歳以上の無職世帯では、夫婦のみの世帯でも単身世帯でも、住居費は1万3000~1万6000円程度と、そこまで高くはありません。これは持ち家に住んでいる人が多いためです。65歳以上で賃貸物件に住む場合は、毎月5~10万円程度の赤字となってもおかしくはないでしょう。