更年期にフェムゾーン「今や2人に1人!女性の死活問題です」ケアしないと起きてしまう「深刻な事態」とは【医師監修】
毎日のセルフケアでは何をしたらいいのでしょうか?
「詳しくは後半でお話しますが、まずは、やさしくキチンと汚れを落として、しっかり保湿すること。また、フェムゾーンを軽くマッサージして血行を促しましょう。 女性ホルモンが低下すると、全身の乾燥が起こりやすくなります。ドライアイ、ドライマウス、そしてドライヴァジャイナ(腟の乾燥)の原因にもなります。 患者さんでパンツがくっつくと訴える方がいますが、それは乾燥しているから。おりものがあって濡れている状態が本来の姿。しっとりしている状態を保つことが、フェムゾーンの健康のカギなんです。おりものシートや尿漏れシートを毎日つけている人がいますが、必要なときだけ使うようにしましょう。擦れてかゆみの原因にもなるし、その刺激が炎症となって繰り返すことで色素沈着して黒ずみにも繋がってしまいます」 明らかにトラブルを感じている人はもちろん、私の症状はGSMなの?と疑問に思ったら、関口先生がオリジナルで考案したチェックリストで確かめてみましょう。 ▶チェックリストは本記事内のリンクを参照▶【セルフチェックできる】GSMチェック表 【診断結果】 ・20点未満…今のところ安心。だけどGSMになる可能性がないわけではないので、日々のケアを始めましょう。 ・20点~40点…中等度以上のGSMの可能性があります。3か月以上セルフケアをしても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 ・40点以上…重度のGSMの可能性があります。急いで医療機関を受診してください。 いかがでしたか? 女性ホルモンが、30歳前後のピーク時から1/10程度まで減少することによって起こる、さまざまなGSMの症状。閉経していなくても女性ホルモン分泌が難しくなると、GSMが起こるリスクは高まります。 【後編】は、「GSMケアで重要な、正しい洗浄&保湿のしかた・運動・栄養とは? 具体的なケア方法とおすすめのアイテム」をご紹介します。 ▶つづきの【後編】では、腟の健康・ニオイケアには、食事の影響も? 骨盤底筋が鍛えられる身近&手軽なトレーニング方法って?……についてお伝えします。 【お話を伺った先生】 女性医療クリニックLUNAグループ理事長 関口由紀先生 横浜市立大学医学部泌尿器病態学講座客員教授 女性のための情報サイト(株)フェムゾーンラボ代表 日本フェムテック協会代表理事 日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、 日本性科学会専門医、日本骨盤底医学会専門医 医学博士、経営学修士 2005年4月~ 「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」を開設。 現在: 女性医療クリニックLUNA 横浜元町(更年期以前向け)、女性医療クリニックLUNA ネクストステージ(更年期以降向け)の2つのクリニックを束ね、人生100歳時代の日本の中高年女性の骨盤底・血管・骨・筋肉の総合的な維持管理を提唱し、生涯にわたるヘルスケアを実践している。著書に『セックスにさよならは言わないで』(径書房)、性ホルモンで乗り越える男と女の更年期(産業編集センター)など多数。
ライター 中尾慧里