ビジネス文書で押さえておきたい「5つのポイント」(前編)読み手を意識した言葉選びを【ビジネスマナー常識チェック】
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#94 ビジネス文書編② ◇ ◇ ◇ 「びっくりドンキー」の店舗がボロいのには理由があった! ビジネス文書の質が高ければ業務効率が上がり、対外的な信頼性も向上します。一方で、不十分な文書は誤解やトラブルを招く原因にもなりかねません。 今回のテーマは、ビジネス文書を作成する際に押さえておきたい5つのポイントです。これを意識することで、誰にでも伝わりやすく、信頼される文書を作成できるようになります。では、具体的にみていきましょう。 ▽5つのポイント <1>目的を明確にする ビジネス文書を作成する第一歩は、目的を明確にすることです。目的がはっきりしない文書は、何を伝えたいのか、どうしてほしいのかが読み手に伝わらず、相手を混乱させる恐れがあります。目的を明確にし、それに沿った内容を簡潔に記載することで、読み手に正確な意図が伝わります。 例えば、「会議の案内」であれば、「何の会議か」「いつ」「どこで」行われるのかを明確に記載し、関係者が必要とする情報を即座に把握できるようにしましょう。これにより、業務がスムーズに進みます。 <2>読み手を意識する 読み手が理解しやすいように、相手に合わせて言葉を選びましょう。例えば、専門用語。同じ業界やその分野に詳しい人には通じても、一般の人には理解されない場合があります。特に、一般のお客さま向けの文書を作成する際は、専門用語を避け、誰にでも理解しやすい言葉を選びましょう。 また、曖昧な表現も避けることが大切です。「早急に対応してください」という表現は、人によって解釈が異なる可能性があります。このような場合は「12月13日の15時までに対応をお願いします」と期限を明確に示すことで、認識のずれを防ぐことができます。 <3>構成を考える 文書の内容や流れを整理し、読み手にとって論理的でわかりやすい構成を考えることが重要です。具体的には、次のポイントに注意しましょう。 ①一文を短くする 一文の長さは「30~50字」程度にまとめると読みやすくなります。過度な敬語や不要な接続詞、意味のない副詞を省くことで、より分かりやすく伝わります。 ②「箇条書き」を活用する 必要な情報を文章のみで書くと、読み手は内容を理解するのに時間がかかります。要点を簡潔にまとめて箇条書きにすると「読んで理解する」から「見てわかる」に変わります。箇条書きを活用することで、視覚的にわかりやすくなり、読み手の負担も軽減されます。 ③「5W3H」を意識する 次回は「5W3H」の解説から始めます。 (金森たかこ/マナー講師)