井上祐貴、念願の朝ドラ初出演への思いを語る「“言霊”ってあるのかな」<虎に翼>
伊藤沙莉が主人公を務める連続テレビ小説『虎に翼』(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。同作は、日本で初めての女性弁護士の一人で後に裁判官となった三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリー。今回WEBザテレビジョンでは、主人公・寅子の夫になった星航一の長男・朋一役で朝ドラ初出演の井上祐貴にインタビューを実施。目標としていた「朝ドラ」への思いや、演じる朋一についての印象などを聞いた。 【写真】おちゃめに“虎ポーズ”をする井上祐貴(ほか、撮りおろしショット19枚) ■“朝ドラ”と聞いて思い浮かぶのは、「両親や祖父母、親戚の顔」 ――朝ドラ『虎に翼』への出演が決まった際のお気持ちはいかがでしたか? 井上祐貴(以下、井上):うれしかったですね。やっとなのか、それともまだ早いくらいなのかはわからないですが、「『朝ドラ』に出演したい」と言い続けていてよかったなと思います。 ――そんな“朝ドラ”は、改めて井上さんにとってどんなものですか? 井上:パッと思い浮かぶのは、両親や祖父母、親戚の顔なんですよね。特に、祖父と祖母は、僕が小さい頃からずっと毎朝楽しみに朝ドラを見ていたので。「いつか、祐貴も出れたらいいね」みたいな話を会うたびにされていて、僕も「今目標としているよ」なんて返したりしていて。そんなやりとりをした思い出が僕の中では、大きいですね。 ――では、今回の出演をご家族は大変喜ばれたのではないですか? 井上:(※取材当時)それが実はまだ伝えられていなくて。でも、絶対に喜んでくれると思うので、報告するのが楽しみですね。それも含めて、出演できることがとてもうれしかったです。 ――実際に脚本を読んで、どんな感想を持ちましたか? 井上さんが思う、作品の魅力を教えてください。 井上:朝ドラは、「今日一日、頑張ろう」とその日の背中を押してくれる作品のひとつだと思いますし、『虎に翼』にもそういう要素がたくさんあるなと感じました。加えて、“法律”を題材にした作品だからこそ扱っている物語があるというところも魅力ですよね。例えば、同性愛の話や原爆の話など、時には触れづらい内容も『虎に翼』だから届けられていることがあるなと思います。また、日本初の女性弁護士になる寅子さんの生き様も本当に心に刺さりました。 ――ご自身は今まで“法律”に意識を向けたことはありますか? 井上:ないですね。もちろん、ニュースをみて興味本位で少し調べたりすることはありますが、それ以外で意識して考えたことはないです。だから今回、僕自身も法律に触れるいい機会になったなと思いますし、見ている方々にとってもそんなきっかけになってたらいいなとも思いますね。 ■共演者とのエピソードも、「星家はみんなお酒が好き」 ――演じる星 朋一をどんな人物だと考えていますか? 井上:根は家族のことが大好きなピュアな男の子だと思うんですよね。でも、今は母親を亡くして、常に家族の誰に対しても薄い壁があるような、素直に全てをさらけ出すことができなくなっている子かなと思います。母親が亡くなった原因が父親にあるわけではないとわかっていても、責めてしまう気持ちになったり、そんな自分にも腹が立ったり…。今、朋一が置かれている環境は、ちょっとかわいそうだなと思いますね。 ――そんな朋一とご自身とで、重なる部分はあったりしますか? 井上:自分のテリトリーに入られることって、家族ならまだしも他人なら、凄く嫌な気持ちになると思うんですよね。そこにとても共感しました。作中では、星家に寅子さんがずかずかと入り込んできて、それをきっかけに朋一は爆発してしまうのですが、自分の境遇とは違えど、そのしんどさはイメージができました。 ――作中の印象的なシーンについて教えてください。 井上:朋一は、寅子さんたちと“家族のようなもの”になることを受け入れるのですが、それを受け入れられない妹・のどかに兄として声をかけるシーンなど、新たなメンバーが加わった星家での場面が印象に残っています。本音はのどかと同じだと思うのですが、それでも丸く収めるために父親や寅子さん側に付いている。そのことを申し訳なく思いながら、彼自身居心地の悪さも感じていると思うんですよね。その撮影ではいろんなところに気を遣いながら居る時間だったので、大変でした。 ――そんな場面で工夫したことはありますか? 井上:のどかに対してのセリフは、言い方や言い回しに凄く気をつけました。ちょっとしたニュアンスの違いで、トゲトゲしたりするのでそこは意識して発言するように心がけました。 ――ちなみに、井上さん自身はご家族とぶつかった経験はありますか? 井上:過去を遡って考えてたのですが、本当になくて。もちろん、ちょっとした喧嘩は数えきれないぐらいあります…。食べ終わった弁当箱をすぐに出さなかったり、乗るはずの電車に間に合わなかったりして怒られたり(笑)。でもそのぐらいですかね。 ――寅子役の伊藤沙莉さんや父親役の岡田将生さんなど、共演者の方とは現場でどんなお話をされましたか? 井上:お芝居の話…というよりは、「帰ったら何が食べたい?」とかたわいもないことをお話しています。「ビール飲みたいなあ」「今日は何を飲もうかな~」とか(笑)。星家のみんなはお酒が好きで飲む人ばかりです。寅子さんの娘役・毎田(暖乃)さんは未成年なのでもちろん飲めませんが、他の5人全員が飲むってなかなかないのかなと。しかも、みんな似た温度感でお酒を欲しているという(笑)。 ――井上さんもお酒が好きなんですね。 井上:僕は、お酒好きなんですけど、普段一人では飲まないですね。飲んでいる場が好きといいますか。でも、星家の皆さんは一人でも飲まれる方ばかりで。そんな話をしていたら「もしかしたら、俺今日一人で飲んじゃうかも…」って思った瞬間はありました(笑)。 ■大河、朝ドラ出演…目標達成のわけに言及「“言霊”ってあるのかな」 ――「大河ドラマ」に続き、「朝ドラ」への出演など目標としていたことを実現されている井上さんですが、ご自身でその理由はどこにあると思いますか? 井上:目標を言い続けていたことですかね。去年ぐらいから、目標は口に出して言っていこうと決めて実行してきました。その結果、その目標がひとつずつ叶っているので、やっぱり“言霊”ってあるのかなと思ったりしますね。ただ、言霊というのは単なる一部で、マネージャーさんが全力でサポートしてくださったり、巡り合わせのタイミングだったり…色々が繋がって、叶ったことだと思います。 ――そんな井上さんの現時点での一番の目標はなんですか? 井上:今一番の目標は、「大河ドラマ」と「朝ドラ」にメインで出演することです。あと、やってみたい役でいうと、昔なりたかった美容師の役や、アクションができる刑事役などにも挑戦してみたいです。悪い役…黒幕役とかもやってみたいですし…やりたい役はまだまだたくさんあります! ――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。 井上:寅子さんたちと“家族のようなもの”になった後の朋一、特に家族への接し方は繊細に演じさせて頂いてます。朋一の、父親や妹に対する関わり方も以前とは違うコミュニケーションをとっているので注目していただけたらうれしいです。そして、朋一は目標とする判事になるため、司法試験に無事合格できるのか…!? 最後まで是非見届けてください!