NVIDIA、4万円でシリコンの頭脳を売ります
NvidiaのAIへのフルコミット強めぶっこみは、止まる所を知りません! Nvidiaが、AIをローカルで処理できる小型コンピューター「Orin Nano」を発表。その価格、なんと249ドル。4万円をきります。
スピーディ&省エネ
Orin Nanoは、Nvidiaが展開する高度な処理も得意とする小型組み込みシステム「Nvidia Jetson」の最新モデル。最大のウリは、AIをローカル処理できる馬力と249ドルという価格です。 手のひらサイズのシングルマザーボードOrin Nanoは、前モデルと比較し、処理スピードと電力効率が2倍に進化。CEOのジェンスン・フアン氏いわく、その処理速度は1秒間に約70兆回もの演算が可能(70TOPS)、一方で消費電力はわずか25ワットだといいます。 Orin nano開発者キットは249ドル。一方で、モジュール単品での購入も可能で、4GB版と8GB版があり。
持ち運べるコンピューターの「脳」
Orin Nanoは、主に開発者や趣味パソコン自作系の人々向けの商品です。AIにゴリゴリに強いRaspberry Piみたいなやつ、と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。 小型なことから持ち運びが容易。AI機能を試すにも、Orin Nanoを持ってきて既存のハードに接続すればいいわけです。ローカルでAIタスク処理ができる=クラウド接続が必須ではないのが大きなポイントで、AI関連のソフト開発はもちろん、ロボットや工業向けツールの開発現場でも重宝しそうです。 (もちろん、同じくNvidiaのプレミアム帯のGPU、大規模AIをターゲットとするものと比べると、処理できるAIタスクには限りがありますが、それは価格の差を考えれば当然。) AIがより一般に普及していくには、低コスト化は絶対。さらにプライバシーの観点から、クラウドに頼らない仕組みも必要です。Orin Nanoは、それをまず開発現場から可能にする存在です。 Orin Nanoの発表動画では、CEOのジェンスン・フアン氏が「I’m cooking something up for you(みなさんのためにあるものを準備していますよ)」と、キッチンのオーブンからOrin Nanoを取り出すというユニークな演出で披露。年末のホリデー感を出したちょっとかわいい作りになっています。 「その昔、我々はロボティクスプロセッサという全く新しいタイプのプロセッサーを開発しました。当時はこれがまったく理解されませんでしたが、いつかディープラーニングモデルが進化し、すべてのものにロボットが組み込まれることになると我々は考えていました」と語るフアン氏。 もともとロボット向けに開発されたNvidia Jetsonが、現代の大規模言語モデルにはまった形。 例えば、OpenAIのサム・アルトマン氏が手がける別プロジェクトWorldにも、Jetsonコンピューターが使用されています。Worldは、瞳の虹彩をスキャンするデジタルIDとオンライン決済を組み合わせた新たな経済システム構想ですが、この虹彩スキャン端末「Orb」にもJetsonモジュールが使用されており、スピーディなAI処理を実現しています。
そうこ