やっぱりポルシェのSUVは味わい深い!!! 新型マカンTがある意味、罪なクルマだったワケとは?
ポルシェのSUV「マカン」に「T」が追加された。試乗した小川フミオは「ある意味、罪なクルマだ」と説く。 【写真を見る】新型マカンTの内外装をチェック!!!
スポーツ性能をより強調
SUVが車型のデフォルトになった感のある昨今。SUVだけどコンパクトとか、SUVだけどスタイリッシュなんて、ちょっと異質な組合せもどんどん登場してきた。 ポルシェ「マカンT」はけだし“SUVだけどスポーツカー”と、言いたくなる、ドライブが楽しめるモデルだった。2022年2月に日本導入が発表され、ようやく2023年末に試乗がかなった。 SUVを選択するのが当たり前。でも、目的はドライブを楽しむことというひとには、迷わず、このクルマをどうぞ! と、勧めたくなる完成度である。 車名にある“T”は、ポルシェの歴史をひもとけば、1968年に発表された「911T」にさかのぼる。軽量で、レースカーのベース車として大いに人気を博したモデルだ。 最近では、現行911に、後部座席や遮音材を省いた、自動車用語でいう“スパルタン(スポーツ性能のために快適性能を犠牲にした仕様)”なモデルとして「911T」が設定され、こちらも人気のようだ。マカンTは、快適装備を省略されたのではなく、軽いエンジンと、スポーティな足まわりを特徴とするスポーツ性能をより強調した仕様として開発された。 195kWの最高出力と、400Nmの最大トルクをもつ1984cc4気筒ガソリンターボエンジンを載せて、7段ツインクラッチ式変速機を介して4輪を駆動する。 サスペンションは可変ダンパー「PASM」(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメント)を含めて専用設定。全高が「マカン」の1621mmに対して1601mmに低められている。 マカンは全長4726mmのボディと、2807mmのホイールベースの組合せ。その上の「カイエン」が4930mmの全長をもつことを考え合わせても、日本の交通事情によく合うサイズだ。 スタイリングも、SUVのデザインにあまり新機軸が出てこないこともあって、2013年のデビュー以来、いまでもそう古びて感じられないところも、ある意味、アドバテージといえるかも。