とんねるず 木梨憲武に聞いた若い頃の話、ターニングポイント、人とのつき合い方、そして理想の姿。
帝京高校の同級生であった石橋貴明とともに「とんねるず」を結成。『オールナイトフジ』や『夕やけニャンニャン』への出演で爆発的な人気を獲得し、その後も『ねるとん紅鯨団』や『とんねるずのみなさんのおかげです』など、バラエティ史に残る大ヒット番組を数多く世に送り出した。現在は、お笑いだけでなく、歌手やアーティスト活動にも力を注ぎ、この1月にはこれまでの歩みを振り返った自伝を刊行した。「そのとき面白そうって思ったことはどんどんやっていきたい!」。そう語るこの人にインタビュー。 【写真】とんねるず 木梨憲武のインタビューとオフショットをもっと見る
面白そうなものは 全部やってみりゃいいじゃん
――自伝『みなさんのおかげです』が刊行されました。ノリさんが語るエピソードはとても面白く、人生を楽しく生きるためのヒントや気づきがたくさんありました。あらためて自伝を書こうと思ったきっかけについて教えてください。 木梨 きっかけはいろいろあるんだけど、やっぱり還暦という人生の節目を迎えて、恩返しのひとつとしてこれまでを振り返って本に残すのもいいかなと思ったんだよね。なるさん(安田成美さん、俺の奥さんね)はもちろん、家族、とんねるずや木梨憲武と一緒にエンターテインメントをつくってきてくれた仲間たち、スタッフ。今、俺が幸せでいられるのは、そうした人たちのおかげだからね。俺がひとりでできることなんて何もない。そのことをちゃんと言葉にして残しておきたかったんだよね。
やったことにムダはない。 全部つながってる
――人生のターニングポイントみたいな、「これがあったから今の自分がある」と思えるような出来事はあったりしますか? 木梨 ターニングポイントっていうのはよくわからないけど、「意外にあれがよかった」とか、「あの経験が生きたな」っていうのはしょっちゅうある。例えば、コルドンブルーはすぐにクビになっちゃったけど、そこでコントのやり方を少し学べて、「とんねるず」って名前もつけてもらえたし、そのときに紹介してもらったダンスの先生の伝手(つて)で次の仕事につながったり、西城秀樹さんといったすばらしい先輩に出会えたりとかね。コルドンブルーでの仕事は、なんか俺たちには似合わないなぁって感じがしたんだけど、結果的にはいいほうにつながっていった。全部そう。なんでもそう。やったことにムダはないって思ってる。全部つながってる。ダメなら「次いこう、次」で、落ち込まない。