日産キャシュカイ:市場へ巨大な影響 トヨタ・カローラ:ファミリーカーの伝説 ヴォグゾール・コンボ:積載量マックス 誇らしきUK製モデル(2)
トヨタ・カローラ:ファミリーカーのレジェンド
トヨタ・カローラ・ツーリング以上に、実直で楽しいクルマはあるだろうか。実用性ではワンボックスカーに及ばなくても、総合力で右に出る例はないかもしれない。 使い勝手が良く、維持費は抑えられ、大人5名と沢山の荷物を運べる。むしろ優等生すぎる個性が、マイナスに働いている部分もある。食わず嫌いせず、一度味わってみて欲しい。驚くほど、運転が楽しいとわかるはず。 今回用意したのは、1.8Lハイブリッド。2.0Lも選べるが、お手頃で高効率で、充分にパワフルだ。ステアリングホイールは適度に重く、反応は軽快だが神経質ではない。グリップ力に不足はなく、乗り心地も良い。 すべてが高次元でまとまり、実力を引き出しやすい。積極的に走らせれば、充足感も得られる。カーブでカローラ・ツーリングに追い込まれるとは、先行車のドライバーは想像していないかも。 信頼性は高く、正規ディーラーで整備を受けていれば、10年間の保証も付く。この実力は、英国の警察も認めている。グレートブリテン島では、カローラ・ツーリングのパトカーと出くわすことが多い。ウーバーのドライバーからも支持は厚いが。 カローラ・シリーズは、1997年に世界最多の累計販売数を達成。現行型は11代目だ。ファミリーカーのレジェンドでもある。 こんな名車の欧州仕様は、グレートブリテン島中部のバーナストン工場で作られている。ハッチバックも含めると、2023年の生産数は12万1871台。西部のディーサイドにはエンジン工場もあり、英国でのトヨタの両輪をなしている。
ヴォグゾール・コンボ:可能な限りの積載量
カローラ・ツーリングを超える積載量が必要なら、ヴォグゾール(英国オペル)・コンボ・ライフが良いだろう。プジョー・リフターやシトロエン・ベルランゴなど、ステランティス・グループのEK9系と呼ばれるワンボックス・ファミリーの一員だ。 グレートブリテン島西部、エルズミアポートでヴォグゾールがビバの生産を開始してから、2024年で62年が過ぎた。現在は約1億ポンド(約192億円)が投資され、バッテリーEVの量産体制が整えられつつある。 このコンボ・ライフ・エレクトリックを含む、EK9系の電動バンは、2024年10月からエルズミアポートで本格的な量産が始まっている。大規模な改修もあり、2023年の生産数は4308台と少なかった。しかし、2024年は増加する見込みだ。 ヴォグゾールは、ロンドンの北のルートンにも工場を構えている。ここで作られているのは、ヴィヴァーロと呼ばれる、コンボ・ライフより大きい商用バン。乗用車仕様も開発中とのことだが、完成はもう少し先になるらしい。