【高校ラグビー】東海大大阪仰星・吉田琉生主将が「人生を懸ける」 史上3位タイ7度目の日本一目指す
◆全国高校ラグビー第6日 ▽準決勝 東海大大阪仰星29―26常翔学園(5日・花園) 準決勝が行われ、Bシードの東海大大阪仰星(大阪第2)は常翔学園(大阪第3)との“大阪対決”に29―26で勝利した。2枚のシンビン(一時退場)で数的不利な状況から粘り切り、優勝した21年度以来3大会ぶりの決勝進出を果たした。19、20年度以来の2連覇を狙うAシードの桐蔭学園(神奈川)は、国学院栃木との関東勢対決を25―14で制した。決勝は7日午後2時から行われる。 東海大大阪仰星フィフティーンが“必死のパッチ”で守り切った。29―26と迫られた後半のラストプレー。シンビンで常翔学園より2人少ない13人の中、相手得意のスクラムでコラプシング(故意にスクラムを崩す反則)を誘発して勝ち切った。モールから2トライを奪うなど活躍したフッカー浜田素良は「やるしかないと思って。全員の気持ちで勝った」と準決勝突破を喜んだ。 SO吉田琉生共同主将が「一番負けたくない相手だった」と話した花園では2度目となる常翔学園との“大阪ダービー”。数的不利、逆転のピンチを救ったのは今大会初スタメンのプロップ山下大輔だった。湯浅大智監督(43)に「余計なことは考えなくていい。そこ(スクラム)に集中せえ」と送り出された背番号1は、最終局面でも対面する相手に強烈な圧を与えた。ともに最前列でスクラムを組む浜田も「常翔はバインド(ぶつかる前に組み合うこと)の仕方から違う。対策してきたが、(山下が)良く頑張ってくれた」と感謝し、指揮官も「彼はスクラムが好き。集中してくれました」と笑顔でたたえた。 21年度大会の準々決勝に続きライバルとの激闘を制し、いざ、3大会ぶり7度目の全国制覇へ。2連覇が懸かる桐蔭学園には、前回大会の準々決勝で24―34と敗れるなど、ここまで花園で4勝2敗。「とにかく最大の敬意をもって、フィールド上でラグビーをする」と湯浅監督。この日チーム3トライ目を奪った吉田共同主将は「攻撃も守備も相手がなにもできないような試合をしたい。たくさんの人に恩返しできるよう人生を懸けてやる」と誓った。7度目Vとなれば大阪勢最多の常翔啓光学園(旧啓光学園)と並び、史上3位タイ。因縁の相手を圧倒し、大団円を迎える。(森口 登生)
報知新聞社