衝撃の暴露...トランプとプーチンの「黒い蜜月」・核戦争を回避したバイデン政権の裏側が明らかに
「オバマの対応は失敗だった」
ウッドワードによれば、当時、国防総省の幹部を務めていたコリン・カールは後になって、ウクライナ侵攻が始まって以降で22年秋がたぶん「最も背筋が凍る思いをした」時期だったと語ったという。 一方でこの時期、バイデンは世界の指導者として、1962年のキューバ・ミサイル危機でソ連に立ち向かったジョン・F・ケネディ大統領ばりの気概を見せたのかもしれない。かつて副大統領として仕えたバラク・オバマ元大統領についてバイデンが述べたという、批判的な発言は注目に値する。 ロシアは14年、ウクライナ東部の一部を「占領」するとともにクリミア半島をロシアに併合した。この時、オバマは比較的穏やかな対応を取ったが、それは大きな過ちだったとバイデンは言ったのだ。 「おかげでこんなことになってしまった。われわれの大失敗だ」とバイデンは述べたという。「バラクはプーチン(のやること)をまともに取り合おうとしなかった。プーチンにそのまま続けていいと許可を出してしまったんだ。で、私がそのいまいましい許可を取り消そうとしているわけだ!」 ウクライナ侵攻が始まって2年半というもの、バイデンは「対応が煮え切らない」とか、「ウクライナ防衛のための十分な武器をすぐに送らなかった」といった批判を浴びてきた。 確かにバイデンは、M1A1エイブラムズといった主力の戦車や精度の高い長距離砲、F16などのジェット戦闘機の供与には二の足を踏んだ(最終的には供与したが)。 そしてウクライナがハルキウ州で反攻を始めた後の22年10月、バイデンはアメリカ国民に対し、ロシアが核兵器を使用すれば「アルマゲドン(最終戦争)」に発展する可能性もあると警告を発した。 そんな事態は、核兵器が使われる「直接的な脅威」が存在したキューバ・ミサイル危機以来初めてだとも彼は述べた。 当時、核兵器の使用などプーチンのはったりではと考える人もいた。だがウッドワードが引用したアメリカの情報機関の分析は、侵攻前のプーチンの意図を驚くほど正確に見抜いていたのと同様に、この場合もまさに慧眼というべき内容だった。 実際、後になってプーチンは、何がロシアの戦術核使用のきっかけになり得るかを具体的に説明している。 プーチンは9月、ウクライナが西側から供与された長距離ミサイルでロシア領の奥深くまで攻撃するのを西側諸国が認めるなら、核兵器による反撃は正当化されるかもしれないと述べたのだ。