日米合作 ブロードウェイミュージカル『RENT』オリジナル版演出家 マイケル・グライフ インタビュー到着!
――『RENT』ももちろん大好きなのですが、グライフさんが演出された『グレイ・ガーデンズ』(2006。ジャクリーン・ケネディの叔母とその娘が零落し、ボロ屋敷に住んでいる様をとらえた同名ドキュメンタリー映画を基にしたブロードウェイ・ミュージカル)も心から好きな作品です。演出を手がける上でどんな作品に心ひかれるのでしょうか。 『グレイ・ガーデンズ』もおもしろいと同時にダークな感じの作品ですよね。『グレイ・ガーデンズ』や『ネクスト・トゥ・ノーマル』(2009)、『ディア・エヴァン・ハンセン』(2016)等をブロードウェイで演出してきましたが、音楽の力を生かして物語を妥協なく描き、観客の心に訴えかけて感情的な境地へと連れ去るようなところのある作品に心ひかれるんだと思います。 ――現在進行中のプロジェクトは? グロリア・エステファンと共に、ドキュメンタリー映画『Landfill Harmonic』にインスパイアされた『Five Notes』という新作ミュージカルに取り組んでいます。 ――『RENT』を愛する日本の観客にメッセージをお願いします。 これまでも来日カンパニーや日本語での上演など様々な形で『RENT』をお楽しみいただいてきたと思いますが、今回のカンパニーはいいキャスト揃いなので、英語上演もぜひ楽しんでいただきたいと思います。僕にとって『RENT』が意義深いのは、この作品が若い世代の作曲家にインスピレーションを与え、彼らが自身の作品を作り上げる上で大きな力となったということです。僕が一緒に仕事をした優れた作曲家たちも、この作品からインスピレーションを受けたとしばしば口にしています。ですから、日本の若い世代の作曲家たちも、この作品にインスパイアされて、自分の時代、街、コミュニティ、友人たちについてのミュージカルを書くようになったらすばらしいなと思っています。 取材・文=藤本真由(舞台評論家) Photos by Maiko Miyagawa <プロフィール> マイケル・グライフ これまでに『RENT』、『ネクスト・トゥ・ノーマル』、『グレイ・ガーデンズ』、『ディア・エヴァン・ハンセン』、そして現在もブロードウェイで上演中の『ヘルズ・キッチン』の5作品でトニー賞にノミネート。直近では『ヘルズ・キッチン』のほか、『酒とバラの日々』、『ノートブック』の3作品の演出を手掛け、全て同時期にブロードウェイで上演された。 <公演情報> 日米合作 ブロードウェイミュージカル『RENT』 脚本・作曲・作詞:ジョナサン・ラーソン 演出:トレイ・エレット 初演版演出:マイケル・グライフ 振付:ミリ・パーク 初演版振付:マーリス・ヤービィ 音楽監督:キャサリン・A・ウォーカー 出演:山本耕史、Alex Boniello、Crystal Kay、Chabely Ponce、Jordan Dobson、Leanne Antonio、 Aaron A. Harrington、Aaron James McKenzie ほか ※全編英語上演(日本語字幕あり) 【東京公演】 日程:2024年8月21日(水)~9月8日(日) 会場:東急シアターオーブ 【大阪公演】 日程:2024年9月11日(水)~9月15日(日) 会場:SkyシアターMBS