辰巳天井・タリフマン・実質賃金・スキマバイト…「日本経済2025」の“芯”に刺さる最重要ワードは?
2024年は、34年ぶりの史上最高値、令和のブラックマンデー、新NISA、賃上げ…これほど経済ワードが話題の中心になったことはなかった珍しい1年だった。 【映像】株価が上がる年? 「辰巳天井」とは? では、2025年はどうか? 日本経済の“芯”に刺さるような最重要ワードをテレビ朝日経済部デスク国吉伸洋氏に聞いた。 ━━2025年、日経平均株価は上がっていくのか、下がってしまうのか? 「株式相場には『辰巳天井』という言葉がある。辰年(2024年)と巳年(2025年)は株価が上がると言われているのだ。去年の辰年は12支の中で最も株の上昇率が高いと言われており、現に暴落もあったものの全体として見れば約19%上がった。 そして巳年は辰年の勢いを残してまだ少し上がるところがあるという。期待は強い」 ━━とはいえ、“天井”と聞くと“頭打ち”をイメージしてしまうが。 「不透明な要素があるため誰にも読めないが、アメリカの景気に左右されるのは間違いないだろう。では、アメリカ経済はどうか。アメリカ経済にはS&P500という代表的な株価指数があるが、バンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックス等金融大手は『1割前後の上昇』を予想している。去年は生成AIがブームになり、半導体大手のエヌビディアなどが一気に相場を引っ張ってハイテク株がガンガン上がったが、やはり去年上がった分、過熱感がある。そのため今年は去年ほどの上げ幅は期待できないというのが市場関係者の大方の見方だ」
タリフマンは何をする?
━━1月20日にはアメリカでトランプ政権が誕生するが、世界と日本の経済にどのような影響を及ぼすのか? 「“トランプ劇場”は予測不能であり、何が起こるのか世界中の人たちが戦々恐々としている。トランプ氏の一番の政策は自身で『タリフマン(税金男)』と名乗っているように『関税』だ。既にメキシコやカナダ、中国に追加関税をかけると宣言しているが、関税を上げると(海外の安い製品が値上がりするため)アメリカ国内の物価が上がる。するとインフレを抑えるためにFRBは金利を上げることとなり、日本がこれから金利を上げたとしても『日米の金利差』が縮まらず円安ドル高が続いていく。そして、金利を上げることはアメリカ経済を“冷やす”ことになるため、アメリカの株価も少し落ちることが予想できる。とはいえ、トランプ氏がどういう政策をしてくるのか読めないため、その発言一つひとつに世界中のマーケットが大きく振り回されるだろう」