「クレーンゲーム」人気のホンモノ感…いまやコンビニにも進出、訪日客や高齢者もハマる
コロナ禍で打撃を受けた業界が活況を取り戻す中、成長目覚ましいのがアミューズメント業界の「クレーンゲーム」だ。 紅葉期に備えオーバーツーリズム対策に本腰 日本屈指の観光地「京都・嵐山」の取り組みとは 2021年はテレビゲームやメダルゲーム、音楽ゲームの売上高が前年比20~30%減に落ち込む中で、クレーンゲームは前年比26%増と好調。市場規模は2811億円と、10年前と比較して約7割増で推移している(一般社団法人日本アミューズメント産業協会調べ)。何がそんなに人をひきつけるのか。 「昔に比べて景品の充実が挙げられます。アニメやマンガなどのキャラクターの巨大なぬいぐるみやフィギュアのほか、菓子類も大入りの駄菓子から、やや価格帯の高いもの、レアなものまで揃っています。日本カルチャーど真ん中の景品の多くは限定品で、若者だけでなく訪日客にウケています」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏) 景品補充やメダル回収のほか、プレーによって生じる陳列の崩れを直す程度と手間は少なく、少人数で運営できる点も大きい。中小のゲームセンターの多くがコロナで姿を消す中、存在感を見せているのがラウンドワンやGENDAなどの大手だ。 「両社とも国内だけでなく海外展開を進め、日本のゲーセン文化を輸出しています。特に、『GiGO』を運営するGENDAはM&Aでゲームやカラオケなどの同業だけでなく、酒類の輸入販売会社なども吸収するなど、業界のシェアを短期間で拡大しています。東大卒の女性社長の申真衣氏は雑誌『VERY』のモデルを務めたことで知られ、株価も右肩上がりで注目の企業です」(経済ジャーナリスト) クレーンゲームはショッピングセンターや大型施設だけでなく、コンビニにも進出している。 「ミニクレーンゲームを導入しているローソンは、25年度中に1000店舗をめどに導入予定で、これを目当てに若者から中高年まで幅広い層の来店が増えているようです」(渡辺広明氏) ■懸念は意外なギャンブル性 だが、そのギャンブル性を指摘する声もある。 「景品が取りやすそうに陳列されていますが、ある程度の技術がないと簡単に取れないものです。パチンコなどと違って表面上はギャンブル性を感じにくいものの、実際のところは意外と射幸性が高い。クレーンに張り付いてメダルを次々に投入する子どもの姿をよく見かけますが、未成年の重課金に注意を払う必要があるでしょう」(前出の経済ジャーナリスト) 中毒性が高いことから、節度ある遊び方を心がけたいところだ。