小池都知事定例会見9月8日(全文1)受動喫煙防止条例の基本的な考えを策定
広尾病院の整備基本構想案を策定について
それから2番目の項目でございますが、広尾の病院であります、広尾病院の整備基本構想案を策定いたしました。そのお知らせでございます。広尾病院につきましては、都心部唯一の基幹災害拠点病院といたしまして、都の災害医療をリードしてきた歴史もございます。また島嶼地域の疾病の方々がヘリで搬送されるなど、命をつないできた病院でもございます。都の災害医療をリードしてきたという一方で建物が築35年を経て、老朽化をしてまいりました。そしてまた首都の直下型地震に備えるということで建て替えが必要とされてまいりました。 そこで昨年度、外部の専門家などによります検討委員会を設置いたしまして、新しい病院がどうあるべきなのかといった、機能、それから規模などを検討していただき、今年7月にその報告をまとめていただいたところでございます。そしてこれを踏まえてこのたび、都として広尾病院の整備、基本構想案を策定したというお知らせでございます。 ポイントは3つ、ございまして、まず1点目、そもそも災害に備えなければならないので、免震構造を採用いたします。それからベッド数でございますが、400床程度に適正化する。適正化するっていうのは現在より少し減らすということになります。一方でいざ、災害となったときにはこれが一気に倍になる。つまり800床になるような整備の仕方をいたします。後ほど詳しくご紹介します。 2点目でありますけれども、広尾病院の強みを生かした医療の提供を行うということで、例えば災害時に多数の発生が予想されます、重症の外傷患者さんに対して平時から複数の診療科で一体的な治療ができる体制を整備いたしますし、またICTを活用して、先ほども申し上げましたように島嶼の、島の患者さんの療養状況を共有するなど、離島のハンディを感じさせない安心のサポートをするということが2つ目。さらに3点目でありますが、地域医療への貢献でございます。例えば患者さんの症状によりまして他の医療機関で対応が困難な場合には、その要請に柔軟に対応できるように、地域貢献病床というのを新たに30床程度確保するようにいたします。 先ほど400床が倍になる、というふうに申し上げましたけれども、これを詳しく申し上げますと、ベッドを増やすということで、このように建物内のさまざまなスペースに簡易ベッドを置いて、そして重症の患者さんにも対応できるように、医療ガスの配管を、こちらにありますように、配管を壁であるとか天井にそもそも整備をしておくということで、そして災害時には400床のベッド数が一気に800床に増える。そしてそこで酸素吸入からさまざまな治療が受けられるように、そもそも配管を最初からそういう構造にしておくということでございます。 それから整備する場所でありますけれども、検討委員会のほうからは、長年この地域でやってきた地の利があるということから、現在地での整備がより望ましいとのご提言がございました。一方、都におきましても、この検討委員会による検討と並行して、この間の医療を取り巻くさまざまな大きな変化がございます。そういったことを踏まえましてベッド数の適正化であるとか、整備手法の工夫などをしまして病院整備の前提を見直したことで、現地での建て替えが可能となったということでございます。 こうしたことを踏まえて、広尾病院に期待されます役割、機能を将来に向けて確実に発揮していくために、現地で建て替え整備が適切と、このように判断をしたわけでございます。 こちらのほうも、来週11日から約1カ月間で、パブリックコメントを実施いたしますので、皆さん方からまたご意見をいただければと、このように考えております。看護学校が併設されておりますけれども、これをむしろ種地に使うなどをして、ローリングで建設が可能だという判断でございます。ということで広尾病院もいったん立ち止まって、あらためて見直した結果、こういう答えを出させていただいて、そしてまた、やっぱり公営の病院としての役割をしっかりと果たす。そのような環境を整えられたのではないかと、このように考えております。