<鈴木えみ>11歳の娘をもつ母 性に関する子どもからの質問に「驚いて否定的な態度をとったり、はぐらかしたりしない」
「娘の同級生の保護者の方には、『うちの子に性教育なんてまだ早い』という方もいます。そうではなくて、早くからきちんと性教育を受けた人の方が慎重になる、自分が納得するまで『ノー』が言えるというエビデンスもある。子どもを着替えさせるときに、声をかけてから脱がせるとか、(子どもが)話し始める前からもできることがある。年齢や子どもに合わせて教育を続けていきたいし、誤解を解いていければ」と話した。
イベントは2部制で、高校教員として性教育も担当し、現在は「“人間と性”教育研究協議会」の代表幹事を務める水野哲夫さんが、「ライフステージごとの性教育のあり方」と題してトークセッションを行った。
水野さんは「(日本では性教育が)狭く特殊なものにとらえられていて『性教育は0歳から』というと、0歳児に性行為を教えるのかと言われるが、そうではない。性は体と心、すべて。人間に必要な教育です。
自分の体を大事にする、清潔にする、丁寧に扱う、自分の体を他人が触れることに対して抑制的にする、(触れる場合は)相手を尊重し、大事にする。これが性教育の始まりですから、早くから始めた方がよい。
人と人との関わりや、自分の体は自分だけがコントロールできるものであって、他人には触らせたり、見せたりしないものであること。この体の権利は、5歳から始め、性行為については10歳ぐらいからがよい」と年齢に応じた性教育のあり方を紹介した。
「セイシル」は12月にスタートから5周年を迎える。性の知識を紹介し、中高生から届く性の疑問や悩みに専門家が回答しており、月間約30万人が訪問している。この日のトークイベントは「ライフステージに寄り添う性教育のあり方」をテーマに実施した。