トランプ暗殺未遂事件から振り返る歴代の“大統領暗殺映画”有村昆が解説
些細な行き違いを描いた『ジョーカー』
ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』も、そんな些細な行き違いを描いてます。売れない芸人がジョーカーと化してしまった理由が丹念に描かれているし、その境遇に同情できる部分もある。そう考えていくと、本当に悪いのは誰なんだろうということになるわけです。 僕らだって、生きていく中で、多少の不平不満はあるじゃないですか。だからといって誰かを暗殺しようとは思わないですけど、犯人はたまたま行動してしまっただけで、考えていることは自分たちと紙一重かもしれない。その銃弾を紙一重で避けたトランプもすごいんですけど。 もう一方の「もし」となりますが、これでトランプが暗殺されていたら、アメリカは大変なことになっていたでしょうね。場合によっては民主党と共和党の支持者で国民が完全に分断されて、内戦になっていたかもしれない。 こんど公開される『シビル・ウォー アメリカ最後の日』という映画では、このようなアメリカの分断と内戦になった場合にどうなるのかということがリアルにシミュレーションされています。 トランプさんは元気ですし、その後の大統領選の展開も早いので流されてしまいがちですが、世界が変わっていた可能性もある大事件ですから、改めて関連作を観て考え直してみるというのはいかがでしょうか。
ENTAME next編集部