ポスト・イットもバイアグラも…「失敗から学ぶ人」と「学ばない人」を分けるたった1つの違い
信頼というと抽象的に感じるかもしれませんが、ちゃんとコミュニケーションが取れるか、聞く耳があるか、質問に対して的確に答えを返してくるか、そして「過去の失敗から学んでいるか」などが総合されて「信頼」になります。 中には失敗を繰り返して何度もプレゼンをしている起業家もいます。相対する投資家も「君の話なら投資する」と企画の中身はそっちのけで投資を決める人もいます。 もちろん、何度も何度も失敗続きでは不利でしょうが、失敗そのものよりも「失敗を隠すこと」「失敗から学ばないこと」がマイナスに捉えられています。 ● 失敗は「学びの宝庫」 負け戦の経験が新商品につながる いわば、過去のビジネスの失敗は、戦歴です。武勇伝(Failure is a token of pride)でもあります。だからMVFのイベントでも誇らしげに語るのです。あなたなら、戦場に出たことがない新兵と、何度も負け戦を経験しているが生き残っているベテラン、どちらと一緒に戦場にいきたいですか。私は間違いなく後者です。 失敗することが悪いのではなく、失敗から学ばないことが悪いのです。失敗こそ、学びの宝庫なのですから。 誰にも制御できない理由でビジネスが失敗することもあります。誰がコロナ禍を予想できたでしょう。この影響で失敗したビジネスは、それこそ星の数ほどあるでしょう。逆もあります、コロナ禍で想定外にヒットしたビジネスもあるわけです。 これこそ天運でしょう。天運がなかったからだめではないのです。ならば、またチャレンジすればよい。なぜだめだったか、天運がつかなかったのか、分析するのです。 日本でも、失敗は成功の母といいます。 たとえば、抗生物質の元祖であるペニシリンは、病原菌の培養実験中、片づけを忘れて休暇に出てしまったことが原因で発見されます。休暇から戻ると培養皿の中で、青カビが混入した皿だけ、病原菌が繁殖していなかったのです。病原菌の繁殖実験でコンタミ(異物混入)があったのですから、これは実験失敗のはずです。これを単なる実験の失敗と考えず、「なぜ、この皿だけ病原菌が繁殖していないのか」に着目したことから、ペニシリンが発見されます。