【毎日書評】魅力的な話し方をしている人の「伝え方」には特徴があった
どんな職場にも、「いうことが、なぜか魅力的に聞こえる人」がいるものです。しかし、同じ環境で同じ仕事をし、同じことを口にしているはずなのに、どうしてそういうことになるのでしょうか? 【毎日書評】魅力的な話し方をしている人の「伝え方」には特徴があった コピーライターである『伝え方図鑑 当てはめるだけで「結果」が変わる!コミュニケーション・フレーム73』(井手やすたか 著、SBクリエイティブ)の著者によれば、それは「伝え方」が違うからなのだそうです。 言葉には「何を伝えるか」と「どう伝えるか」があります。 広告の世界ではこれを「what to say」と「how to say」と呼び、入社したばかりの広告一年生たちが必ず習う、コミュニケーションの基礎のような内容です。実は、この2つの要素をよく理解しておくことが、なぜ伝え方を学ぶことが大事なのか、を説明する大きなポイントになるのです。(「はじめに」より) たしかに人は話すとき、「なにを伝えるか」を意識しがち。しかし本当に重要なのはそれを「どう伝えるか」であり、伝え方の工夫次第で“伝わる内容”がよくも悪くもなるということ。 そこで「伝え方」に悩む人のために、73種にもおよぶ伝え方の「型」を図解化しているのが本書。そのため、「いま、いいたいこと」を「ヴィジュアル化された型」にはめるだけで、「効果的ないい方」に変換できるわけです。 しかも目的別の構成になっているため、「いま、どんな結果を得たいのか」という目的に対応した型をチョイスし、活用することができるのです。つまり、なによりも実用性を重視しているということ。 きょうは第1章「『複雑なこと/難しいこと』を伝えたい」のなかから、いくつかのポイントを抜き出してみたいと思います。
「結論から」の型①
明確な答えを知りたがっている人には、明確な結論をまず伝える。(31ページより) 「結論からいうとわかりやすい」ということはよく耳にしますが、その手法が効くケースは大きく分けて2パターンなのだそうです。そのうちのひとつが、「相手が答えを知りたがっているときは、シンプルに結論をまず即答する」こと。 具体的には、「5W1H=なにが、誰が、いつ、なぜ、どこ、どう」なのかと聞かれた場合、まず「結論は」と前置きしてから、あとに続く説明に移ると続けやすくなるというのです。 「最初に結論をいう」ことによって、相手に「全体を俯瞰させている」と考えることもできるわけです。(30ページより)