分厚い生地に果実ぎっしり…閉校した川内純心女子高生を虜にしていた名物スイーツ「天使のアップルパイ」を復刻販売 地元飲食店が試行錯誤で思い出の味を再現
鹿児島県薩摩川内市の飲食店「果蔵」が、2009年に閉校した川内純心女子高校の名物アップルパイを“復活”させた。開発に奔走したのは社長の猿渡辰一さん(60)の妹で、管理栄養士の文子さん(56)。製造・販売にも携わってきたが、その後に見つかった病気のため現在は療養中。「思い出の味でみんなが笑顔になってほしい」と願っている。 【写真】アップルパイ再現に尽力した猿渡文子さん(右)と兄の辰一さん=薩摩川内市
店によると、同校のパイは年1回の学校行事で販売し、行列ができる人気だった。果蔵を運営する青果卸会社がリンゴを納め、文子さんも幼い頃から食べていたという。卒業生ではないが、地元にあった学校が忘れられていくことを寂しく感じて再現を思い立った。 アップルパイは系列校でも販売するが、味は学校ごとに異なる。跡地の純心幼稚園にも協力を依頼し、試行錯誤して製造。分厚い生地と、ぎっしりと詰まったリンゴが特徴の「天使のアップルパイ」が完成した。昨年11月に販売を始めると反響は大きく、今は1日平均20個ほど売れる。 文子さんは製造を担当してきたが、今年5月にがんが見つかった。現在は現場を離れて治療に専念している。「伝統をつなげられてよかった。食べた方の喜ぶ声や笑顔が励みになる」 店頭販売のみで1個518円。予約すればホールも対応可能。
南日本新聞 | 鹿児島
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