「THE NORTH FACE」ハイスペックモデル「Mountain Down Jacket」とブランドのルーツが感じられる「CAMP Sierra」の歴史を紐解く
THE NORTH FACEのルーツが感じられるCAMP Sierra
そしてもうひとつ見た目にもレトロなダウンジャケットを紹介したい。CAMP SierraはTHE NORTH FACEのルーツが感じられるアイテムだ。このアイテムの歴史も知っておこう。 「1969年、1970年にTHE NORTH FACEが最初に作ったダウンジャケットがCAMP Sierraになります。最初期はリップストップナイロンを使ったモデルで、寝袋を作る際に軽量な生地をということでこの生地を使っていたものが、そのままダウンジャケットに採用されたモデルです。 このあと作られるさまざまなダウンのルーツとなっていくベーシックなものになっており、このモデルは今もほぼ大きくデザインを変えることなくリリースされています。アロータックというポケットのところにある三角形のかんぬき止めの仕様も当時のままになっています。このアロータックはブランド初期の頃によく使われていた仕様です」
1977年に作られたCAMP Sierra、65/35ベイヘッドクロスという65%コットン、35%ポリエステルで作られた当時としては画期的な生地が使われていた 「現行のCAMP Sierraは風合いやデザインは当時とほぼ変わらないのですが、まずひとつは軽量であるということです。コットンを使うとどうしても重さが出てしまうので、いかにナイロン100%で、印象が変わらないものを作るかということでチョイスした、40デニールのしわ加工を施したリサイクルタスランナイロンが軽量化の一因となっています。 裏地には12デニールというかなり薄手の『PERTEX QUANTUM』素材を使い、より軽量なものに仕上げています。CAMP Sierraはマイナーチェンジを繰り返しながらリリースされており、2022年に現行の素材になったのですが、2021年までは中綿もダウンでなくポリエステル綿を使って、オールポリエステルで作っていた時代もあり、昨年より再びMountain Down Jacketと同じ『GreenRecycled CLEANDOWN』ダウンを使って作られるようになりました」
アップサイクルされた素材を積極的に取り入れ、歴史のあるアイテムに組み込んでいく。数あるアウトドアブランドの中でもTHE NORTH FACEはこの分野でかなり先端にいるブランドだと思う。そしてここまで伺ってきた、素材や仕様を見ると、THE NORTH FACEの優れたアイテムで冬のレジャーや日常生活を過ごすのが、一番快適なのではないだろうかと感じる。
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