沖縄・南風原町の洋菓子店がSNSで人気 ターンムとフランス菓子のコラボ 新春スイーツいかが?
【南風原】新年に沖縄の食材を使ったフランスの伝統菓子はいかが? 南風原町津嘉山の洋菓子店「パティスリー・アカヒロ」が、フランスで新年に食べられる焼き菓子「ガレット・デ・ロワ」に沖縄で新年に食べるターンム(田芋)を加えた商品を“沖縄発”の新春スイーツとして売り出している。交流サイト(SNS)で人気が広がり、新たに県外配送を始めるなど販路を広げている。 【写真】田芋たっぷりの「スノーアイス」 ガレット・デ・ロワはフランス語で「王様の菓子」。カトリック教会の公現祭(エピファニー、1月6日)を祝う伝統菓子だ。 アカヒロのオーナーパティシエ宮城弘樹さん(39)はフランス修行時代、現地の菓子文化に興味を持ち、7年前の開店時から作り続けている。 パイ生地の中にアーモンドクリームを挟んで焼き上げるのが一般的だが、フランスでは地方によってオレンジなどかんきつ系のフルーツを混ぜ込む「自由度」(宮城さん)に着目。アーモンドの油っこさを軽めにしようと、父源幸(もとゆき)さん(69)が南城市で経営するパン屋「みなもとや」のターンムパンにヒントを得てオリジナルのクリームを作った。 ガレット・デ・ロワには菓子の中に人形(フェーブ)を仕込み、切り分けた際、人形が誰に当たるかを楽しむ習慣がある。 アカヒロは、フェーブを県内の陶芸家、明石朋実・屋我優人夫妻に依頼。日本の食品衛生法上、食べられない物を中に仕込めないため、ガレットの上にのせるスタイルを取る。干支(えと)をモチーフにした直径約1センチのフェーブは人気でコレクターもいるほどだ。 県外からも発注があったがこれまで断っていた。昨年から環境を整え、県外発送を始めている。 宮城さんは「ターンムを使った沖縄感で、新年のお菓子として沖縄をアピールできれば」と期待する。 ガレット・デ・ロワは1月いっぱい販売する。店舗販売は5号サイズ(直径15センチ)で税込み2200円。今年の開店は1月3日から。開店時間は午前10時~午後6時。水曜定休。問い合わせはアカヒロ、電話098(894)6866。(編集局付・上間正敦)