【高校野球】早実との決勝、超ロングリリーフで勝利を呼んだ二松学舎大付・及川翔伍
4回から切り札投入
【11月7日】秋季東京大会決勝 二松学舎大付高6x-5早実(延長12回) 二松学舎大付高は背番号11の先発の右腕・河内紬(2年)から、背番号1のエース右腕・及川翔伍(2年)につなぐのが必勝パターンだ。勝てばセンバツ当確となる決勝。三塁ベンチの市原勝人監督は、早めの継投に出た。1点リードの3回表に3失点で逆転され、流れを変えるためスイッチし、4回からは及川にマウンドを託した。指揮官からすれば、切り札を投入したわけで、最後まで投げ切ってほしいとのメッセージでもあった。 中盤以降、点の取り合いとなったが、二松学舎大付高はなかなか追いつくことができなかった。5対4の8回裏、ついに同点とし、9回では決着がつかず、延長タイブレークに入った。無死一、二塁からの継続打順。及川は10回からの3イニングを無失点に抑えた。12回裏一死満塁から根本千太郎(1年)のスクイズ(記録は一塁内野安打)でサヨナラ勝ち。21年ぶり3度目の優勝を飾った。 及川は超ロングリリーフである。9回127球。事実上、1試合を投げ切っている。タイブレークに入って以降を、振り返った。 「(一死二、三塁の)10回表はゼロに抑えて、10回裏は点を取ってくれませんでしたが、それでも(一死二、三塁の)11回表はゼロで抑えてやろう、と。12回表は、ここをゼロでしのいだら、絶対に勝てる。疲れはありましたが、気持ちでカバーして投げた」 幕切れは三塁ベンチで見届けた。3時間5分のロングゲーム。素直な思いを語る。 「ヨッシャー!! と。やっと終わった」
最速141キロ。最後のハイライトは12回表である。一死満塁から後続2人を空振り三振に斬った。欲しい場面での三振を奪えるのは強み。敵将の早実・和泉実監督は「球が伸びている。真っすぐのアウトコースの見極めができなかった」と、相手エースを称えた。 及川は自身の生命線を、真っすぐと言い切る。二松学舎大付高は21年ぶりに明治神宮大会に出場する。及川は「どれだけストレートが通用するか。チームが勝てるようなピッチングをしていきたい」と、意気込みを語った。あこがれの投手は二松学舎大付高の先輩左腕・秋山正雲(2024年までロッテでプレー)。いつもブルペンには頼れる背番号1が、万全のコンディションでスタンバイしている。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール