【インドネシア】国家栄養庁の行政官ら、日本で学校給食研修
国際協力機構(JICA)は10日、インドネシアの国家栄養庁や保健省などの行政官らを日本に招いて学校給食に関する研修を実施していると発表した。研修は、JICAが長崎大学と連携して行っており、期間は9月3日から12日まで。プラボウォ・スビアント次期政権が計画する無償給食事業に関わる機関から計14人が参加している。 研修では、長崎県内にある学校給食用食材の生産所を訪れ、地産地消の重要性や地域の農家と連携した食育について学んでもらったほか、給食センターを視察してセントラルキッチンでの大規模な調理から配送までの一連の流れを確認する機会を設けた。 また、同県内の小学校では給食システムや食育の授業の見学、給食の配膳や片付けの様子の視察をした。行政官らは児童と一緒に給食も食べた。 JICAは、今回の研修について、とくにインドネシアと同じ離島が多い地理的な特徴を持つ長崎で、日本の学校における食育・給食について学んでもらうことで、インドネシアの学校給食の導入と子どもたちの栄養改善への貢献を目指しているとした。今回の研修がインドネシアの学校給食制度の構築に生かされることに期待を込めた。 研修に参加した国家開発企画庁(バペナス)のプンカス大臣顧問(社会問題・貧困対策担当)は、「日本の給食が単に食事を提供するのではなく、子どもたちによる配膳や片付けも含んだ食育などを通じ、高い健康意識に加えて食や生産者への感謝の気持ちも育んでいることに感銘を受けた」と述べた。 また、日本の給食の供給体制や栄養基準、衛生基準などを、状況が異なるインドネシアでどのように取り入れていけるか考えていきたいとした。