「劇的な進化が描かれていた…!?」ガンダム作品「MS・MAの飛行技術」に訪れたイノベーション
アニメ『機動戦士ガンダム』の第9話「翔べ!ガンダム」の回では、主人公アムロ・レイたちホワイトベース隊が、ガルマ・ザビ率いるジオン軍の大気圏内用戦闘機「ドップ」の攻撃を受ける場面が描かれた。 【画像】おそろしすぎる欠陥機も…技術革新が生んだ「トンデモ副産物」 空からの攻撃に苦しめられるホワイトベースだったが、アムロが乗るガンダムはこれまでのMSでは考えられない跳躍力で、ドップが飛行する高度まで飛翔、次々と撃墜していった。これがガンダム作品で描かれたMS(モビルスーツ)による空中戦のはじまりだったのかもしれない。 その後も長く続くガンダムの歴史のなかで、重力下におけるMSの飛行技術は進化し、空中戦の内容も変化していく。ここでは、その飛行技術の劇的な進歩と代表的な戦闘シーンを振り返ってみたい。
■ファーストガンダムにおける大気圏内の戦い
冒頭でも触れたが『機動戦士ガンダム』でアムロが搭乗した「RXー78ー2 ガンダム」は圧倒的な跳躍力を披露したが、厳密にいうとそれは「飛行」能力ではない。では、この時代で戦闘機や艦艇以外で飛行能力を有したのは、どのような機体だったのだろうか。 代表的なのが、アニメの第18話「灼熱のアッザム・リーダー」の回に登場したモビルアーマー(MA)「アッザム」だ。この機体は「ミノフスキー・クラフト」と呼ばれる疑似反重力システムを搭載し、短時間ながら大気圏内で浮遊することが可能だった。 この技術は「ミノフスキー粒子」の性質を利用して斥力場を発生させることで、機体下に見えない足場を形成して、浮遊状態を維持する。ただし、ミノフスキー・クラフトシステム自体が大型で、アッザムのような大型のMAやホワイトベースのような大型艦にしか搭載できないという欠点もあった。 アッザムに搭載されたミノフスキー・クラフトは試験段階のもので、空中でガンダムに取りつかれてしまい、ビームジャベリンで何度も攻撃されてしまう。撃墜こそ免れたが、当時の飛行技術の限界を示したシーンともいえるだろう。 そのほか一年戦争時では、爆撃機を改修してMS運搬用のサブフライトシステムに転用した「ド・ダイYS」がおなじみ。また、脚部に大推力エンジンを搭載したMS「グフ・フライトタイプ」も少数投入されたが、大気圏内での空戦能力はお世辞にも高いとはいえないものだった。