米東部で「正体不明のドローン」の目撃相次ぐ、乗用車ほどの大きさ
米東部ニュージャージー州で11月中旬以降に、夜間に低空を飛行する正体不明の大型の無人航空機(ドローン)の目撃情報が相次いでいる。ニューヨーク州やペンシルベニア州の住民たちも同様な物体を目撃したと報告しており、州の当局者は連邦捜査局(FBI)に捜査を求めている。 ニュージャージー州警察は11月19日、同州北西部のモリス郡上空で「ドローン活動」を目撃したと発表し、調査を開始すると発表した。警察は、SNS上で噂が広まっていることに触れたが、「公衆の安全に対する脅威は確認されていない」とした。 それ以降の数週間で、ニュージャージー州の8つの郡でドローンが目撃され、SNS上の投稿が拡散した。そのうちの1つは、ドローンが「大型で騒音を発生させていた」と表現し、多くのユーザーが夜空を漂う点滅する物体を映した動画を投稿した。 同州のある住民は現地メディアに「毎晩ドローンを見た」と語り、ニュージャージー州の警察署長は記者会見で、これらのドローンが「乗用車ほどの大きさ」で、市販のドローンよりも大型だと語った。 12月には、ニューヨーク州のスタテン島付近でも正体不明のドローンの目撃情報が寄せられ、ある住民はNBCニュースに対し、十数機の光を放つドローンを目撃したと語った。また、ペンシルベニア州のフィラデルフィアでも目撃情報が報じられた。 連邦航空局(FAA)は12月初旬に、ニュージャージー州のピカティニー・アーセナル軍事基地と、トランプ次期大統領が所有する同州のゴルフクラブ上空でのドローンの飛行制限を施行した。 また、FBIは3日にニュージャージー州の警察の捜査に加わり、ドローンと見られる物体に関する情報提供を呼びかけた。さらに、ニューヨーク・タイムズは先月27日に、英国の4つの米空軍基地の上空でもドローンが目撃されたことを報じていた。 ドローンの目撃情報のために設置されたFBIのホットラインには、11日時点で3000件の報告が寄せられた。ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事は、8日に1日のみで49件の目撃情報が寄せられたと語り、同じドローンが複数回報告された可能性があると述べていた。 米議会では、12日にドローンに関する公聴会が開かれ、複数の議員が、FBIの捜査からの回答や洞察が得られないことに不満を表明した。ニュージャージー州選出の共和党のクリス・スミス下院議員は、より広範な行動を求め、「深刻な事態」だと語った。また、同州選出の同じく共和党のジョン・ブラムニック下院議員は、「限定的な非常事態宣言」を発出するよう求めた 捜査を指揮するFBIのロバート・ウィーラー次長補佐は、同局がドローンを「積極的に捜査」しているが、まだ明確な答えがないことが「懸念される」と語った。
Stephen Pastis