SP2位の16歳中田璃士、「まさか」の90点超えに「頭に『やばい』しか出てこない」
フィギュアスケート・全日本選手権第1日(20日・大阪東和薬品ラクタブドーム)――来年3月の世界選手権(米ボストン)の代表選考会を兼ねて開幕し、男子ショートプログラム(SP)は、鍵山優真(オリエンタルバイオ)が92・05点で首位に立った。ジュニアから推薦出場した16歳の中田璃士(りお)(TOKIOインカラミ)が90・31点で2位に入り、友野一希(第一住建グループ)が3位。三浦佳生(オリエンタルバイオ)が4位、37歳の織田信成(大阪ク)が5位と続いた。男子フリーは21日に行われる。
得点が出ると、中田は目を丸くした。「まさか90点に乗るとは。頭に『やばい』しか出てこない」。大人びた演技とは異なり、16歳らしい無邪気なガッツポーズも見せて喜びに浸った。
21歳年上の織田が直前に会心の演技を披露。会場の盛り上がりは最高潮だったが、「絶対に沸くと分かっていた。歓声を聞かないように集中していた」。冒頭の4回転―3回転の連続トウループを鮮やかに決めると、その後もミスはなし。フラメンコの曲調に乗り、ステップやスピンも最高難度のレベル4をそろえた。
昨季、ジュニアGPファイナルを制したホープ。だが、今月上旬に行われた今季の大会は3位で連覇を逃した。「悔しい思いをしたので、絶対ここで良い演技をしてやるという思いが強かった」と中田。年齢制限のため次の世界選手権や26年五輪には出場できないが、勢いは誰よりもある。(森井智史)