高校サッカー「記憶に留めておくべき」5人の次世代ヒーロー候補…サウサンプトンと契約の点取り屋にJ1川崎内定の大会屈指サイドバックも
年末年始のスポーツ界を盛り上げる風物詩のひとつ、第103回全国高校サッカー選手権大会は、今日2日に首都圏の4会場で行われる3回戦の8試合をへて、4日の準々決勝へ駒を進める8校が決まる。13日の決勝(国立競技場)へ向けて、いよいよクライマックスへ突入する今大会で、昨年末の1回戦から熱戦を繰り広げてきた出場48校の選手たちのなかから、記憶にとどめておきたい5人の次世代ヒーロー候補をピックアップした。 【画像】最終決戦でJ連覇を決めたヴィッセル神戸のウイニングショット
【高岡伶颯】(宮崎・日章学園3年/FW/166cm・63kg) キャプテンとして戻ってきた、高岡伶颯(れんと)にとって2度目となる全国高校選手権で、世界を驚かせた点取り屋の本領をいかんなく発揮した。 西目(秋田)との1回戦の開始10分に右足で先制ゴールをゲット。選手権初得点をマークすると17分に左足で追加点を、アディショナルタイムには頭でチームの5点目をマーク。前半だけで今大会初のハットトリックを達成しただけでなく、味方の2つのゴールもアシストしてチームを6-1の大勝に導いた。 相手ゴール前における卓越したスピードと、多彩なシュートパターンだけではない。西目戦では実に9本のシュートを放つなど、率先してチームを引っ張っていく勝ち気な姿勢に、キャプテンを任されてさらに強さを増した責任感も加わった。 2023年11月にインドネシアで開催されたFIFA・U-17W杯でも、グループリーグの3試合すべてで4ゴールをゲット。鮮烈な活躍は、英プレミアリーグのサウサンプトンへの加入内定を手繰り寄せた。高岡はこんな抱負を語っている。 「言葉の壁は大きいけど、苦労しないと世界は広がらない。死に物狂いでやっていく」 大晦日の2回戦では矢板中央(栃木)に1-2で敗れて高校サッカーを終えた。それでも80分間で7本のシュートを放ち、前半25分には一時は同点に追いつくゴールを決めた、この世代でナンバーワンのストライカーは、悔し涙を前へ進む力に変えて、18歳になる3月にサウサンプトンと正式契約。戦いの舞台を世界に変える。 【嶋本悠大】(熊本・大津3年/MF/180cm・69kg) 高校年代の最高峰の舞台、高円宮杯JFA・U-18プレミアリーグのWESTを制し、昨年末に行われたEAST王者の横浜FCユースとの頂上決戦でも快勝。初の日本一を引っさげ、次は選手権初優勝を狙う大津の不動のボランチが嶋本だ。 高校入学後に身長が180cmまで伸び、もともと搭載されていた多彩なゲームメイク能力に、現代サッカーのボランチに求められる強さとスタミナも加わった。 卒業後の加入が内定しているJ1の清水エスパルスの反町康治GM(日本サッカー協会前技術委員長)は、U-18日本代表にも名を連ねる嶋本に大きな期待をかける。 「日本サッカーの将来をも担う逸材として、今後の成長がとても楽しみです」 大晦日の札幌大谷(北海道)との2回戦では、後半11分にセットプレーから味方の先制点をアシストし、同20分には結果的に決勝点となるゴールも決めた。福井商(福井)との1回戦でも2アシストをマークしている10番は悲願の初優勝への思いをさらに強めながら流通経済大柏(千葉)との3回戦に臨む。