「連れ立ってランチに行かないで」会社からの指示が実は違法ってホント? 弁護士に聞いてみた
●たとえ例外事業でも「労働条件に違反していないか」は要注意
──例外に当たる場合はどのように休憩を取らせてもいいのでしょうか。 法令上の休憩規制とは別個の問題として、労働条件に違反していないかという問題もあります。 労働条件通知書や就業規則で昼休憩が何時から何時までと明記されていれば、それが労働条件として定められた休憩時間帯となるので、従業員の同意なしにずらすことはできません。 また、休憩時間帯が定まっていない場合でも、法令上の休憩付与は雇用主の義務なので、いつ休憩を取るのか従業員任せにするのは適当ではありません。 ── 一斉休憩を避ける仕組みとしてどのような方法が考えられますか。 たとえば、「昼休憩 11時30分~13時30分のうち1時間とし、時間帯は従業員ごとにシフトで定める」などと就業規則等で定めた上で、シフトで休憩時間をずらして付与するといった運用が考えられます。 なお、一斉付与が雇用主に義務づけられるのは、あくまで1日の労働時間が6時間を超える場合の雇用主が義務として付与する休憩の場合です。1日の労働時間が6時間以下のパート従業員については休憩を付与する義務がないので、一斉付与も義務ではありません。 仮に例外となる事業に該当せず、労使協定も困難だが休憩時間をずらして付与することが必要なのであれば、パート従業員を雇用して調整することも考えられます。 【取材協力弁護士】 加藤 寛崇(かとう・ひろたか)弁護士 東大法学部卒。労働事件、家事事件など、多様な事件を扱う。労働事件は、労働事件専門の判例雑誌に掲載された裁判例も複数扱っている。 事務所名:みえ市民法律事務所 事務所URL:https://miecitizenlaw.com/