64歳は衰え知らずで肺活量は30歳台 「東ちづる」が語る「美ボディ」の秘訣
パワーと柔軟性
パワーと柔軟性を兼ね備えているのが傍目にも分かる。天野トレーナーはこう言った。 「身体の軸が定まり、基本がしっかりしてらっしゃいますね。別格の、アスリートに近い動きをされるのでいつも驚いています」 筋肉量は平均というが、肺活量は計測した医師が驚き「もう一回計測してください」と言うほどで、30歳台の記録を打ち出してしまったのだそうだ。昨年の話だ。マシンでの筋肉トレーニングをしたあと、すぐに有酸素運動を行い、少しの休憩後また筋トレに移るというサイクルを繰り返すサーキット・トレーニング。きついことで知られているが、「絶対にやり抜きます」と東は言い切った。 「明確に一生、自分の足腰で歩きたいからです。しなやかさや美しさというより、自分の歯でものを食べ、自分の身体で行きたいところに行きたいんです。そのためにも足腰って重要だと思うんです」 額に汗を光らせ、特製ドリンクを持ちながら喋る姿もアスリートのようだ。 年齢を重ねるごとに筋力は衰え、体力と共に落ちていく。それが顕著な中高年世代こそ、トレーニングが必要とされる。ジムに定期的に通ってトレーニングに励んでいるのといないのでは見た目も違えば、健康寿命も違ってくる。 寿命が延び「人生100年時代」とも呼ばれるなか、シニアは「プレミアム世代」となり、趣味やスポーツを楽しむ「アクティブシニア」の姿がジムでも目立つ。はじめてみたい趣味を中高年に訊くアンケートで「ジム通い・筋トレ」が常に上位にランクインしている証左だろう。もっとも続けるのはそう簡単ではない。100人がジムに入会しても1年後には4人しか継続していなかったというデータもあるらしい。そのあたりのことを訊くと、東はこう言った。 「次の朝をジムに行く日であると決めておくんです。そう決めることで、例えば食事会でおいしいお酒を飲み過ぎてしまうようなときも、ブレーキになる。雨の日も諦めないように、ジムに行くための傘を買いました。デイバッグが濡れない楕円形のような傘です。せっかく買ったんだから行かなきゃって、自分を追い込んでいます」 造船関係の仕事に従事していた父親も、会社員だった母親もスポーツが得意で、幼い頃、学校で習う前から水泳や鉄棒をしていたというから、身体を動かすことに慣れ親しんできたのだろう。