公費負担医療のオンライン資格確認 27年4月に本格導入
厚生労働省とこども家庭庁は昨年12月23日に開いた合同会議で、マイナ保険証による公費負担医療のオンライン資格確認を2027年4月に全国展開する意向を示し、委員から了承を得た。現行の資格確認方法は紙の受給者証の提示のみだが、オンライン資格確認を導入することで医療費助成の効率化を図る。次期通常国会で障害者総合支援法、児童福祉法など関連する法律を改正する予定。 公費負担医療は診療費の全額または一部を公費で負担するもの。障害者総合支援法に基づく精神通院医療、更生医療、育成医療▽難病法に基づく特定医療費▽児童福祉法に基づく障害児入院医療などのほか、地方独自の医療費助成もある。 マイナ保険証によるオンライン資格確認には自治体、医療機関などをつなぐ情報連携基盤「PMH」(デジタル庁開発)を活用する。23年度から自治体が参加して先行事業が行われている。 委員からは地方独自の医療費助成もオンライン資格確認に対応するよう要望があった。厚労省からは、オンライン資格確認が導入されても直ちに紙の受給者証は廃止にならないこと、本人の同意なしに公費負担医療の情報は医療機関に知られないことなどの説明があった。 また合同会議では、精神通院医療、更生医療、育成医療(自立支援医療)などの利用者負担区分を見直すことも了承された。所得に応じた1カ月の負担上限を定めているもので、現行の「低所得1」(市町村民税非課税世帯)の対象は年収80万円以下となっているが、80万9000円以下に引き上げる。障害基礎年金2級の支給額が約80万9000円に上がったことに合わせた対応で、低所得1の利用者の自己負担額が変わらないようにする。政令を改正して25年7月に施行する。